INTERVIEW

発酵料理家・真野遥さんに伺う「日本酒×発酵の魅力」《前編》

日本酒と発酵食料理のペアリングが学べる料理教室を東京・新宿御苑前で主宰されている発酵料理家 真野遥さんにお話を伺いました。

料理教室に加え、レシピ開発や執筆等幅広くご活躍。

発酵調味料を活用し素材の美味しさを活かした、シンプルかつ彩り豊かなお料理がお得意です★

昨年、Haccomachiのコラム記事“発酵料理研究家が選ぶ!お酒のアテに重宝する発酵調味料BEST5”と“【発酵レシピ】お酒のアテに最高!「イサキの塩麴アクアパッツァ」”にご登場いただきました!

選りすぐられた本格的な伝統調味料を、はっこまちさん好みの使い方やレシピでご提案してくださったのをご記憶の方も多いのではないでしょうか。

今回は“はっこまち of はっこまち”である真野さんに、なぜ発酵料理家になられたのか?や、今一番「はっこまちさん」におすすめしたいお酒+マリアージュするお料理などを教えていただきました。

そして、今年の6月から東京と京都の2拠点ベースでの新生活をスタートされましたので、そのあたりの近況も伺いました♪

なぜ「発酵料理家」に?

─ 「料理家」の前に「発酵」とついていますが、なぜ発酵食をテーマとする料理家になられたんですか?

真野 もともとは、食の演出をするフードコーディネーターを目指していたのですが、日本酒をきっかけに発酵に目覚めました。

日本酒との出会いは、6年ほど前にフードコーディネーターの資格を取得し、料理研究家の先生のアシスタントをしていた時のことです。

青森出身の友人が開催した青森の郷土料理を作る会に参加したのですが、その時にいただいた青森の日本酒が美味しくて、美味しくて。どんどんいただいていたら、近くにいらした方が「いい飲みっぷりだね!」と。その方はインターネットの日本酒番組を運営されている方だったので、「番組に出てみない?」とお誘いいただきまして。

それ以降日本酒のイベントにも参加するようになり、「日本酒っておもしろい!」と思うようになったんです。

─ 初対面の方から即座に認められる飲みっぷり!かっこいいですね★

真野 その後日本酒のイベントに参加したり、全国の蔵元さんにインタビューにお邪魔したりしているうちにどんどん日本酒の魅力にハマっていきました。

最初は、仕事に活かすために日本酒を自分の強みにしていけたらという狙いがあったのですが、知れば知るほど、心の底から日本酒が好きになっていきましたね。

さらに、酒蔵さんに通って、タンクの中で目に見えない微生物が働いてぶくぶくとお酒が発酵していくのを眺め、微生物と対話しながらお酒を醸してらっしゃる蔵元さんのお話もとても魅力的で、発酵そのものに興味を持ち始めました。

─ 真野さんと発酵との出会いは、日本酒が原点だったんですね!

真野 そうですね。そのうち、発酵についても勉強を始めて、日本酒に限らずお醤油やお味噌の醸造蔵にも伺うようになりました。

そうしていくうちに、日本酒と発酵食品ってすごく相性が良いんだということを身を持って実感していきました。

発酵食品って、地域性や郷土色がありますよね?例えば味噌とか。

その土地土地の日本酒と発酵食品の相性の良さを実感していくうちに、「日本酒×発酵」という自分の中のテーマができてきたんです。

真野さんTwitterより

「発酵のことをもっとちゃんと勉強したい」と思っていた頃、東京農業大学 醸造学科の准教授の先生との出会いがありました。お話をさせていただくと、自分の知識が間違っていることだらけで…。
「農大に行けばよかった…もっと勉強したい!」と感じていたところ、大学生にならなくても、研究生として通うことができることを教えていただいたんです。

半年間、断片的ではありますが微生物のことを学んで、発酵の奥深さに触れ、ますます突き詰めていこうと思うきっかけとなりました。

色々な方との貴重な出会いに導かれ、今の自分があると思っています。

─ そして、その後、お料理教室をスタートされたんですね?

真野 はい。2018年の4月から毎月開催しています。

*開催日など、料理教室に関する最新情報は、公式HPhttps://www.harukamano-jozo.com)にてご確認ください。

真野さんTwitterより

─ 日本酒とお料理のマリアージュをテーマとしたお料理教室ということですが、そういったお料理教室って、あまり聞いたことがなかったです。

真野 そうですね、確かにあまりないですね。
私の教室には、20代から60代と幅広い年齢の方がいらしてくださり、他の料理教室にはない魅力があると言ってくださる方もおいでで、リピーターの方が多いです。

レッスンは3時間程度で、テーマによっては、座学に30分充てることもあります。
まずは4種類の日本酒をブラインドでテイスティングしていただき、先入観なしに味を見ていただきます。
その後、それぞれの日本酒について解説し、理解を深めていただいてから、ペアリング料理の調理実習に入ります。

毎月異なるテーマを設け、例えば「酸味」や「旨味」などの味の要素や、「酒米」や「酵母」など、様々なテーマに沿った内容でレッスンを行っています。

真野さんTwitterより

その時点では、フレッシュなものや、フルーティなものなど、わかりやすい印象のお酒が好評なんですが、レッスン中にお酒についてのご説明をして、その後1時間試食の時間を取り、お料理と日本酒のペアリングを体験していただくと、評価が逆転することが多いですね。

単体で飲んでおいしかったものよりも、単体の時はちょっとキツかったり、印象が薄かったお酒のほうが、ペアリングした時に「合わせるとこんなに美味しくなるんだ」という驚きや発見を感じていただけ、そういう組み合わせが提案できた時は手ごたえを感じますね!

今後の最終目標は、生徒さんたちにご自身で応用編のペアリングを考えていただけるようになれば、ということです。そこまで求めていらっしゃらないかもしれないですけどね(笑)。

「はっこまちさん」におすすめしたいお酒・お料理

─ 「はっこまちさん」に一番おすすめしたいお酒とお料理のペアリングを教えていただけますでしょうか?

真野 京丹後 向井酒造さんの「伊根満開」と「鶏の唐揚げ しば漬けタルタルソース」です。
料理教室でもとても好評でした。すっごく合うんですよね。

唐揚げには米麹パウダーをまぶしています。

「伊根満開」は、一部に古代米を使用した、甘酸っぱいお酒です。
この酸味が唐揚げの油分を綺麗に流してくれるのと、しば漬けの酸味とよく合うんですよね。
古代米由来のフワンボワーズのような香りが、しば漬けの香りとも絶妙にマッチします。

お酒の色と食材の色を合わせているのもポイントです。
お燗酒にして、スライスしたレモンを加えて合わせるのがオススメです。

─ 「伊根満開」のロゼワインのような美しい色合いと、しば漬けの鮮やかなパープルカラー。
見た目にも華やかでワクワクが高まるペアリングですね。
東京に住んでいたら、私も真野さんのお教室への参加申し込み必至、リピート必至な予感!

続く後編では、6月から始められた京都での新生活のことや、今後の展望などを伺います★

PROFILE

真野遥(発酵料理家)

1990年生まれ。 日本酒に合う料理の提案を中心に、レシピ開発や料理教室講師など幅広く活動している。 新宿御苑前で、日本酒と発酵食料理のペアリングが学べる料理教室を主宰。 全国の酒蔵、味噌蔵、醤油蔵などの醸造所を訪ねてまわっており、これまで訪問した酒蔵は60軒以上。発酵調味料を活用して素材の美味しさを活かした、シンプルかつ彩り豊かな料理の提案を得意とする。

公式HP:https://www.harukamano-jozo.com
Twitter:@harukamano
Instagram:@paltammm

はっこまち編集部

藤井綾子

京都市在住。好きな発酵食品は、どぶろくと紹興酒。好きなものは和菓子、親子イベント、世界遺産。オススメの旅先はガラパゴスです。



NEW