INTERVIEW

北川本家 杜氏・田島善史さんインタビュー【vol.5】目指すは技術継承。責任感と使命感で、日々奮闘し続ける。

北川本家 杜氏の田島さんへのインタビューもいよいよ最終回となりました。

酒造りの様子や、杜氏としてのチームへの思いをお伺いしてきましたが、最後に今後の展望についてお伺いしました。

後半では、読者の皆さんへ特別に、北川本家さんのおいしい日本酒がいただける素敵な場所も紹介したいと思います。

「継承」を目指し、後進を育てたい。

最高の日本酒をつくるためチームで酒造りに取り組みながら、日本酒について知ってもらいたいと積極的に活動を行う田島さん。

今後の夢や展望は、「継承すること」だとおっしゃいます。

「これだけ長い歴史と伝統があるのですから、僕の代で終わりというわけにはいきません。

毎年酒造りをしっかり行うというのは大前提。その中で技術を継承し次の世代を育てていくことも、自身の役割のひとつだと、特に最近は考えるようになりました」

日々酒造りに真摯に向き合うなかで、伝統や技術を後進にしっかりと受け継いでもらいたいと強く感じるのだそうです。

そのために、若い人たちが少しでもレベルアップできるようにと心がけて指導にあたっておられます。

また「継承したい」という思いの賜物か、2014年には京都市伝統産業「未来の名匠」に認定されました。

「未来の名匠」とは、長い歴史の中で受け継がれる「匠の技」を次世代に継承し、今後の伝統産業界を牽引する人材の育成を目的とし、京都市内で活躍されている技術者の方々を認定する制度です。

まさに田島さんの、技術を磨きつつ後世への伝承にも真摯に取り組む姿勢が評価された結果だと言っても過言ではありません。

ここまで続けてこられたのは「使命感と責任感」が大きいそうです。

「心待ちにしてくださっているお客様の存在はもちろん、農家さんに大切に育てていただいた酒米もどんどん入ってきます。やるしかないという状況なので、使命感が大きいですね。

それに歴史を受け継いでいくために、つくることと伝えることに対しての責任もありますから」

そう語る田島さんからは、杜氏として20年の長きにわたり歴史と伝統を背負い続けてきた強さはもちろん、何より酒造りへの愛情が伝わってきました。

北川本家さんのとっておきの日本酒が楽しめる「酒と米 おきな屋」

取材が終わったあと、田島さんが日本酒好きにはたまらない場所へ案内してくださいました。

乾蔵から徒歩3分ほどのところにある「酒と米 おきな屋」。

「富翁」はもちろん、「つきたてのお米」のおいしさを知っていただきたいとの思いからオープンされた直営店です。

まず入店すると目にはいるのが、産地が記載された立て札とともに並ぶお米です。

京都・丹後産のこしひかりはもちろん、新潟の魚沼こしひかり、滋賀のみずかがみなど多数の品種が取りそろえられています。

店頭には精米されていない玄米のままで並んでいますが、好きなものを選ぶとその場で精米してもらえるので、つきたてのお米のおいしさを思う存分堪能することができるんですよ。

また、店内右側の壁面に目を向けると、ずらっと酒瓶が並べられています。

季節ごとの蔵元限定商品やギフト商品などが取りそろえられているうえに、気になったものは試飲させていただけるので、自分好みのものをじっくり選ぶことができます。

お言葉に甘えて5種類ほど試飲させていただきましたが、どれもおいしくてさらに迷う始末……。

私のようにたくさん種類があってどれを選んだらいいか迷ってしまう……という方は、店長の竹中さんに好みや用途を伝えると、丁寧に教えていただけるのでぜひ相談してみてくださいね。

もうひとつ外せないのが、日本酒好きなら絶対にうれしい「量り売り」です。

しぼりたての生原酒や低温貯蔵で熟成した原酒など、季節ごとに一番のおすすめを乾蔵からおきな屋までタンクごと運び、店頭に設置された冷蔵タンクから目の前で瓶に詰めてもらったのを購入することができるんです。

(お店に入る前に入口の右側を見るとタンクが設置されているので要チェックです!)

この写真のように、店内の壁に蛇口がとりつけられていて、ここから日本酒がでてきて瓶詰めされます。

(瓶詰めから封されるまでをその場で見られるので、自分のために日本酒が詰められている感じがするのもうれしい……!)

いちばんおいしいときに味わっていただきたいと飲み頃が厳選されているので、期間限定でしか出会えないまさに「ここでしか買えない」特別なお酒。

しぼりたてならではのフレッシュな果実のような香り、やさしくもすきっとした口あたりは、他ではなかなか味わえません。

お話をお伺いさせていただいている間も、ひっきりなしにお客様が訪れ、量り売りのお酒を購入されていました。

数量限定ではありますが、オンラインショップでもお取り扱いされているので、気になった方はチェックしてみてくださいね♪

さて、全5回にわたって、北川本家 杜氏の田島さんにご登場いただきました。

北川本家さんの魅力や、日本酒の魅力、田島さんのお人柄を感じていただけたでしょうか。

ハードルが高いと感じがちな日本酒の世界ですが、そんなことは全くなく、むしろ私たちにもっと身近なものだということに、改めて気づかされました。

私自身、日本酒をおいしいと思えるようになったのはここ最近のことで、それまではやっぱり「少しおじさんっぽいなあ」とか、「いろいろ難しい単語が出てきてハードルが高い……」「どういうふうに選んで飲めばいいのかわからない」という印象がありました。

ですが、「身近に感じて、楽しんで飲んでほしい」と造り手の田島さんから直接お伺いし、気負わずに楽しんで飲んで良い身近な飲み物であることを教えていただきました。

確かに専門用語など少し難しい部分はありますが、それは他のお酒も同じ。ついついビールを選びがちなのですが、ビールについて詳しいのかというと、そういうわけではありません。

むしろ、北川本家さんで学ばせていただいたので、日本酒のほうが知っていることが多くなったはずですし!

その歴史と伝統ゆえに敷居が高いと感じがちですが、毎日食べるお米からできているのだと思うと、ビールやワインより断然身近なお酒だと思われませんか?



また、杜氏や蔵人の皆さんも、職人ということで気難しい感じだったらどうしようという不安があったのですが、全くそんなことはなく、皆さんお忙しい中でも丁寧にお話ししてくださり、日本酒のことをもっと知ってもらいたいという思いをひしひしと感じさせていただきました。

そういった皆さんの思いが富翁の味にも表れているのが、北川本家さんが愛され続けてきた所以なのではないでしょうか。

田島さんから直接お話をお伺いしたことで、親しみがわき、もともと感じていたハードルの高さもすっかり取り払われ、ますます北川本家さんの魅力を知ることができた1日でした。

皆さんの熱い思いがこもって出来上がったお酒であることはもちろん忘れず、そのうえで気負いすぎず楽しんで飲みたいと思います!







■株式会社北川本家

住所:京都市伏見区村上町370番地の6
URL:http://www.tomio-sake.co.jp/
オンラインショップ:http://www.shop-tomio.com/



■酒と米 おきな屋

住所:京都市伏見区村上町370番地の6
TEL:075-601-0783
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日(年末年始・お盆休み有り)
    ※2018年11月~12月はお休みなし
URL:http://www.tomio-sake.co.jp/syouhin/okinaya.html

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