INTERVIEW

藤原食品・社長に聞くVol.3 京の町でおしゃれに納豆定食を味わいませんか?

藤原食品・社長に聞く

Vol.1 京都生まれの納豆
Vol.2 納豆嫌いの跡取りが、納豆好きになるまで
■Vol.3 京の町でおしゃれに納豆定食を味わいませんか?

引き続き、京納豆をつくり続けて94年の藤原食品・四代目の藤原社長に、お話をお伺いします。

京都生まれの納豆のおいしさの秘訣や、納豆が好きでなかった藤原社長が納豆を好きになるまでの紆余曲折をお話していただきました。

最終回では、伝統を受け継ぎながらも、納豆を通じて人を幸せにしたいという思いから始まった、藤原社長の新しい挑戦をご紹介します。




一緒にいて楽しい人と仕事をしたい

伝統を受け継いだ上で、未来に向けて新しいことに挑戦する姿勢を崩さないのは、埼玉での働き方と同じ。

「毎日納豆づくりに没頭してしまうと視野が狭まって目の前のチャンスに気づけないので、客観的に見るためにも知人が働いていたカフェを手伝ったりして、視野を広げるようにしています。だからといってなんでも手当たり次第にチャレンジというよりは、自分が一緒にいて楽しいと思える人とのお付き合いを大事にしています」

こういった思いから、人とのつながりひとつひとつを大切にしたいと、納豆づくりで多忙を極めるなか、イベントにも積極的に参加されています。

「こんなところに納豆が?」をコンセプトに展開する「二度見」シリーズ

私が特に好きなのが「二度見シリーズ」といって、「まさかここに納豆が?!」と思うような場所で納豆を販売する企画です。

第一弾がこちらの「本屋さんでしか買えない納豆」です。箱のなかには赤大豆、黒大豆でつくった納豆が1パックずつ入っていることが、タイトルである『赤と黒』の由来。

納豆のおいしさはもちろんですが、なによりその装丁が魅力的なんです!

私の大好きな岩波文庫にインスパイアされていて、表紙はもちろん、帯やそでの部分もそのまま。

岩波文庫は表紙にその本の紹介が書かれているのですが、そちらも同じで、岩波文庫&納豆好きにはたまらない仕上がりになっています。

こちらは、2018年11月1日から、京都の祇園近くの「天狼院(てんろういん)書店」と「ホホホ座浄土寺店」で販売されています。

天狼院書店におじゃましましたが、町家の趣を残し京都らしい風情漂う空間に、所狭しと並ぶ本、本、本……のなかでひと際目を引く『赤と黒』は、たしかに「?!」と二度見してしまう存在感をはなっていました。

また、2018年11月22日には、天狼院書店にて発売記念としてその場で納豆を食べることができるというスペシャルなイベントも開催されました。

納豆はもちろん、大豆を仕入れている農家さんから仕入れたお米に始まり、自家製の味噌でできた味噌汁、その上、藤原さんお手製のおばんざいが選べるなんともうれしい定食です。

この納豆定食が食べられるイベントを各所で開催しようと、2019年1月9日には清水五条近くにあるゲストハウス「Len」でもSpecial morningとして提供されました。

「Len」にはカフェ&バーも併設されていて、旅行者だけでなく京都に住む人も気軽に訪れることのできる憩いの場所。

どちらかというと外国に旅に来たような雰囲気漂う空間で、納豆定食というと少し不思議な感じがするなと思いつつ訪れました。

カウンターには、和風なかっぽうぎ姿でLenの雰囲気に溶け込まれている藤原さんのお姿が……。

これは最初に感じた不思議な印象を裏切られるかも?!と思いつつ、定食を注文します。

納豆定食は、納豆4種から2種、小鉢5種から2種、鴨川納豆の大豆でつくった味噌汁、大豆と同じ場所でとれたコシヒカリ(おかわり自由)がついて500円とかなりリーズナブル。

藤原さんのご友人であり、イベントのお手伝いに来られていた武藤さんに「納豆に漬物を入れると食感も加わっておいしいですよ」と教えていただき、特におすすめという「すぐき」を入れてみました。

すぐきの熟成されたコクのある酸味と、大豆の香ばしさ、旨味がたまらない組み合わせです。おいしすぎて一気に食べてしまいそうになりますが、ここで焦ってはいけません。

このおいしさは炊き立てのコシヒカリと一緒に味わわなければ、と白ご飯と一緒にいただきます。

ほのかな甘酸っぱさをもつすぐきのしゃきしゃきした食感と、大粒の大豆のもちもちとした食感が、お米の旨味を引き立たせてくれます。

手作りの味噌からできたお味噌汁も絶品。

出汁の旨味と味噌のコクが絶妙なうえに、大豆のつぶつぶ感が残っているのがまた良いんですよね。

「あぁおいしい……」と思わずため息がこぼれます。

小鉢は、小松菜とお揚げの炊いたんとおからをチョイス。

おからは藤原さんのお母様お手製なのだそう。旨味がしゅんでいてしっとり、なめらか。

小松菜とお揚げもしゃきしゃきとした小松菜とお揚げのふわふわが絶妙で、定食に花を添えていました。

小私が定食をいただいている間も続々とお客さんがつめかけ、開始早々で完売に。

「納豆はなくなってしまいましたが、お好きな小鉢と味噌汁とごはんで食べてもらえますよ~」と藤原さんがお声がけされると、「納豆がないのは残念だけど、せっかく来たのでよかった!」と喜んで小鉢を選ぶお客さんの姿が印象的でした。

「予想以上に皆さんが来てくださったおかげで、思っていたより早くなくなってしまいました。ありがたいことですね」と笑顔を見せる藤原さん。おいしそうに食べるお客さんの姿をにこやかに見守られていました。

納豆も小鉢もどれもおいしく、Lenという素敵な空間で和がたっぷり詰まった定食を食べられるなんて、朝からめちゃくちゃ贅沢な気分を味わうことができました。

「普通にスーパーで見かけても印象に残らないけれど、予想外な場所で出会うことで『おもしろいことやってるなあ、食べてみよう』と感じてもらえれば、印象に残りますよね。ちょっと変わったことをすることが、1日1人ファンを増やすことに繋がるんだと思っています」

Lenで納豆定食が食べられるイベントは、月に一度、第四水曜日にレギュラー化が決まったそうです!

阪急河原町駅から近いので、気になった方はぜひぜひ行ってみてくださいね!

ほかにも出町柳近くのお店で期間限定の居酒屋をオープンしようと計画されています。

「居酒屋では納豆を知ってもらうというよりは、来てくださる方が楽しむ姿を見たいという気持ちのほうが強いです。あんまり納豆を推しすぎると、あれもこれも納豆かと思われてしまうかもしれないので、あくまで納豆はおまけくらいの立ち位置で。雰囲気とお酒を楽しんでもらって、そのなかにふと気づけば納豆がある。そんな感じを目指しています」

藤原さんの「人を喜ばせられる仕事がしたい」という思いは、その時々に合わせて形を変えながらも、全てに共通しています。

「納豆って世界的な食べ物なんですよ。味はいろいろですが、豆を発酵させることで旨味が増したものを食べるという習慣は日本だけでなく、アジアや遠くはアフリカにも存在します。体にいいからというのもありますが、それよりもおいしいから食べられ続けてきたんでしょうね。なので、何よりもおいしく食べてもらいたいです。シンプルだからこそ素材が引き立つし、シンプルだからこそ何にでも合う。何通りもの食べ方がある奥の深い食べ物なんです」

と、昔は納豆が好きではなかったというのが嘘のように納豆愛を語りつくしてくださいました。

近隣のマルシェなどにも積極的に出店されているので、あたたかくなるこれからの季節はぜひ訪ねてみたいですね。

イベントについてはFacebookにて告知されているので、コチラをぜひチェックしてみてください!

もちろん、鞍馬口にお伺いしての購入も可能。のれんがかかっていればOKなのだそう。

昔ながらの建物で訪れるのに少し緊張するかもしれませんが、藤原さんをはじめ藤原さんのお母様や皆様がとてもあたたかく迎えてくださるので、勇気を出してノックしてみてください。

とてもやさしいお母様で、ほがらかにお話してくださいました。ちなみにこの取材の日には、お母様特製のおからと納豆餅をいただき、ほくほくの気持ちで帰路についたのでした。(おいしくて全てペロリと食べてしまいました!)

おいしい納豆と、あたたかい笑顔に出会えること間違いなし。

絶対に食べてもらいたい納豆NO.1です。

藤原食品

HP:http://www.fujiwara-syokuhin.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/kazuya.fujiwara.7509
住所:京都市北区鞍馬口通烏丸西入る小山町225
TEL:075-451-0507

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