INTERVIEW

発酵料理家・真野遥さんに伺う「日本酒×発酵の魅力」《後編》

発酵料理家・真野遥さんに伺う「日本酒×発酵の魅力」《前編》
■発酵料理家・真野遥さんに伺う「日本酒×発酵の魅力」《後編》

発酵料理家 真野遥さんへのインタビュー。

後編では、真野さんが最近スタートされた東京と京都での二拠点ライフのことや、今後の展望についてお話を聞かせていただきました。

なぜ京都へ?

─ 6月から東京と京都、2つの都市をベースにした生活を始められたそうですね。
きっかけは何だったんでしょうか?

真野 京都を好きになったきっかけは、森見登美彦先生の小説です。大学時代に読んでいました。森見先生の物語の舞台は京都で、ちょうど今私が住んでいるあたりです。

主人公は京大生で、実在する場所の名前やお店の名前が出てくるので、聖地巡礼しに来ていました。「この話って、結構脚色されててファンタジーなんだろうな」って思っていたんですが、訪れてみたり住んでみると意外とそのまんまで、“森見WORLD”なんですよね~。

─ どの小説が印象深いですか?

真野 有名なのは、「四畳半神話体系」と「夜は短し歩けよ乙女」ですね。

森見作品の聖地巡礼をきっかけに京都が大好きになり、社会人になってからも年に2〜3回は遊びにきていました。

実は、新卒で入社した化学系専門商社を辞めて、フードコーディネーター学校に通うまでのあいだ、精神鍛錬のために旅館で仲居の仕事をしようと決めたのですが、せっかくだから大好きな京都で働きたいと思い…。

結局、京都では未経験者の働き口がなく、お隣の奈良で仲居をすることになったのですが、休みのたびに京都に遊びにきていましたね。

奈良時代、休憩中は鹿と戯れていらしたとか。

─ え?実はバイタリティいっぱいの方なんですね(笑)。

真野 ある時、貴船神社に行きました。お金があまりなかったのと、「左京ワンダーランド」というスタンプラリーに参加していたので、その日はずっと歩き続けてヘトヘトになっていました。
最後、あと1コスタンプをもらったら、特典をゲットできる!という時に、出町柳でサボテン屋さんを見つけて、中に入りました。そしたらそこが正に、“森見WORLD”だったんです(笑)。

入ったらいきなり店主の方が「サングリア飲む?どこから来たん?」と声をかけてくださり、サボテンを見る間もなく、身の上話を聞いてもらったんです。

─ サボテンとサングリアですか!!日本じゃないみたいですね~。

真野 そうですね(笑)。
私があまりにヘトヘトだったので、心配してくださったみたいで。
東京へ帰ってからも仲良くしてくださり、京都に行くたびに遊んでもらっていたのですが、ある時、私が日本酒バーの週イチ女将なども始め、あまりに色々な仕事に手を出し過ぎていた頃、「もっと1ケ所に腰を据えて拠点を持って仕事をしたら?」と親身になって話していただいたのを覚えています。

その助言もあって、現在のように拠点を持って料理教室を継続できているので、とても感謝しています。

今しみじみと「京都に来て本当によかったな~」と思っています。

真野さんTwitterより

これからのおしごと展望

─ 今後の展望について教えていただけますか?

真野 食の道を志すと決めた時から、漠然とレシピ本を出したいなと思っていたのですが、急いでいる訳ではなく、自分で自信を持って人に伝えられるものが構築できてからそれを形にしたいと思っています。

ただ、“自然に寄り添った暮らし”をテーマに京都で暮らし始めて、だんだんその展望も変わってきました。

もっと大きな枠に広がっており、最近、興味の対象が食のみならず、哲学・歴史・宇宙・地球環境・人類学など段々と広がっているので、自分が考える日本酒や発酵にまつわることを、レシピ本というジャンルに限定せず、本という形で表現できたらと思っています。

─ 様々なことにご興味のアンテナを張ってらっしゃる真野さんだからこその展望ですね!

真野 まだ漠然とした思いではあるんですけどね。

それから、料理教室はずっと続けていきたいですね。
継続することが苦手なタイプなんですが、唯一ちゃんと続けられているので。

発酵や日本酒からはぶれず、それらを軸にして色々なモノと結び付けられるといいなと。

農業にも興味がありますね。
お隣の滋賀にも醸造家の方がたくさんいらっしゃるので、そういう方々のところにお邪魔してみたいなと思っています。

これからもたくさんのことを学んで、少しずつ具体的に形にしていきたいなと思っています。

実はこの後、真野さんから滋賀のハッピー太郎醸造所さんの食材をご紹介いただきました。
鮒ずしを漬ける際に使用される玄米の飯(いい)です。

そして、その飯(いい)を使ったメニュー「鮒ずし飯(いい)のシーザーサラダ」が誕生しました!

真野さんが生産者のハッピー太郎さんとHaccomachiをつないでくださったことにより、Haccomachiを介してまた発酵食品とお客様との新たな出会いが生まれていきます。

ハッピー太郎さんから届いた食材を拝見し、真野さんとのご縁に改めて感謝したのでした。

京都で、「自然に寄り添った暮らし」を始められ、今後も発酵料理家として幅広く多元的にご活躍なさっていかれるであろう真野さん。次なるお仕事や作品はどんなコト?どんなモノ?と今からとても楽しみですね。

PROFILE

真野遥(発酵料理家)

1990年生まれ。 日本酒に合う料理の提案を中心に、レシピ開発や料理教室講師など幅広く活動している。 新宿御苑前で、日本酒と発酵食料理のペアリングが学べる料理教室を主宰。 全国の酒蔵、味噌蔵、醤油蔵などの醸造所を訪ねてまわっており、これまで訪問した酒蔵は60軒以上。発酵調味料を活用して素材の美味しさを活かした、シンプルかつ彩り豊かな料理の提案を得意とする。

公式HP:https://www.harukamano-jozo.com
Twitter:@harukamano
Instagram:@paltammm

はっこまち編集部

藤井綾子

京都市在住。好きな発酵食品は、どぶろくと紹興酒。好きなものは和菓子、親子イベント、世界遺産。オススメの旅先はガラパゴスです。



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