パン好き京都市民として、日頃からいろいろな食事パンにアンテナをはっているのですが、イマイチよくわかっていないのが“天然酵母パン”。
「そうでないパンとの違いを教わりたい★」
と思い、天然酵母パンの専門店「はんなり製パン所」さんにお邪魔しました!
はんなり製パン所さんがあるのは、六道珍皇寺や六波羅蜜寺といった古寺名刹が軒を連ねる、京都らしい街並みの残るエリア。
15:00前から、数名の常連さんがオープンをお待ちになっています!
さあ、早速パンを拝見しましょう♡
目移り必至!手塩にかけて育てられたパンの数々
この日購入したのは7種です★
(1) 白はんなり ¥120
自家製の玄米甘酒入り♬
基本的にはんなり製パン所さんのパンには、卵・バター・牛乳・砂糖は一切使われていません。ふんわり食感と絶妙のかみごたえをあわせ持つ味わいは、まさにはんなり~。
甘酒やお味噌作りに使用されている米麹は、ご近所の菱六さんのものだそうです♪
(2) 麹甘酒食パン(厳選食パン) ¥370
「白はんなり」と同じ生地を使用した食パンです。「白はんなり」よりも弾力に富むもっちもち食感★
余計なものを一切感じない、ピュアな味わいです。
(3) レーズンノア ¥290
こちらももちろん、卵・バター・牛乳・砂糖不使用。ヴィーガンの方にもオススメ♪スライスし、軽くトーストしていただくと、噛みしめるほどに小麦・オーガニックレーズン・くるみのおいしさが押し寄せます。
次回は、フロマージュ・ドゥ・ミテスさんで何かウォッシュチーズをgetしてトッピングし、キリっと冷やした白ワインと一緒にいただきたい~。
(4) 黒はんなり ¥200
「割れた黒豆煮を無駄なく使いきりたい!」との思いから誕生した商品。津乃吉さんの黒豆煮が使われています♪黒豆本来の濃厚な味と生地・黒ゴマの香ばしさが絶妙のハーモニーで、病みつきになるおいしさ♡
(5) 小豆麹の田舎パン ¥200
小豆を発酵させて作る小豆麹入りのカンパーニュ。砂糖を使っていないのに、自然な優しい甘みがあり、小豆とパンのハーモニーがお好きな方にピッタリの一品です。
(6) 国産・有機ブラッドオレンジ ジャム&コンポート ¥300
こちらは、【季節限定】アイテム。この時期が旬の国産・有機栽培ブラッドオレンジのジャムとコンポートがトッピングされ、芳醇でありながら心地よい酸味・凝縮された果実味・もっちり生地の三重奏です♪
(7) 天然もの ふきのとう味噌のPIZZA ¥230
こちらも【季節限定】のお味。天然もののふきのとうと自家製味噌で仕上げたふきのとう味噌をPIZZAスタイルに。パクリといただくと、お口の中に一気に春風が!雪解けのころ、いっせいに芽を出すふきのとうの映像が目に浮かびました★
パンで旬って、あまり感じたことがなかったので、こんな風に手軽に季節を感じさせてくれるのってうれしいですね。
天然酵母って???
パンを買えるのは1週間に1日。金曜日の15:00からだけです。
「え!!1日だけ?」ということで、その理由を店主のみずえさんにうかがってみました。
─ なぜ1週間に一度のオープンなんですか?
みずえさん ブログでもパンづくりの工程をご紹介しているんですが、天然酵母のパンって、作るのに時間と手間がかかるんですよね。
酵母エキスを作るのに7~10日。酵母種・生地を発酵させて焼くのに4日と、トータル2週間くらい。
なので、パンが出来上がっていく時間の流れに合わせて焼き上げ、お店を開けています。
ただ、2週間近く酵母エキスやパン生地を放っておくことができないので、夏休みやお正月は、思い切って1ヶ月完全にお休みしてます!
─ 「天然酵母パン専門店」ということなのですが、天然酵母ってなんですか?
みずえさん パンに使われる代表的な酵母であるイースト菌(生イースト、ドライイースト、インスタントドライイースト)と天然酵母の一番わかりやすい違いは、「イースト=パン発酵に適した酵母のみを抽出培養したもの」と、「天然酵母=素材についた酵母をそのまま選別せず培養したもの」という点です。
私は、レーズンから自家製天然酵母を起こし、イーストを加えることなくそれだけでパンを発酵させています。
果物や穀物についている野生の酵母は、イーストのように単一種の酵母ではなく、いろいろな酵母が混在しています。さまざまな乳酸菌・酢酸菌などの微生物がはたらき、複雑な旨味、独特の香りが加わるんです。
はんなり製パン所HPより
─ 自家製天然酵母でパンを作るって、大変そうですが、なぜ天然酵母パンにこだわってらっしゃるんですか?
みずえさん その答えはとてもシンプルで簡単。「おいしいから」です!
もともと東京で、イーストを使うタイプのパンづくりの講師をしていました。そんな時、レーズン酵母パンの教室へ行き、自分が知っていたパンにはないおいしさに驚いたんです。ドライイーストで作るパンには旨味が足りないから、砂糖やバターで味をおぎなってたんだ……って納得しました。
その後、東京で天然酵母のパンを提供するカフェを経営し、2014年に故郷である京都にベースを移して2015年春からこのお店をスタートしました。
京都に戻ってきて思うのは、天然酵母のパンがあまり知られていないということですね。食べていただければおいしいことがわかってもらえるのですが、手間暇を考えると家庭での手作りは難しい。
だから、そのような方々の代わりに私がつくらせていただいてるんだ、と思っています。もっと多くの方に知って、食べていただきたいですからね。
“誰もが食べられるパン”を目指して
─ 自家製天然酵母を使用すること以外にも何かこだわりのポイントはありますか?
みずえさん はい、2つあります。
1つ目は、挽きたての全粒粉・ライ麦粉を使うことです。パンをつくるごとに玄麦やライ麦を挽いて使うことで、香り豊かで酸味の穏やかなパンに仕上がるからです。
はんなり製パン所HPより
もう1つは、卵・バター・乳製品・砂糖、添加物不使用という点です。素材にこだわり、 安心・安全はもちろん、味わい深く香り高い、素材本来のよさを引きだして、パン本来の味わいを追求しています。
─ 今後、どんなパンをつくっていきたいですか?
みずえさん 一言で言うと“誰もが食べられるパン”ですね。ホームページでは「バリアフリーなパン」と表現しています。
私、ユルいんで(笑)、「動物由来のものは食べない」とか「有機でないと絶対だめ」といった考え方ではないです。価値観が偏ったり狭まったりしてしまうので。より多くの方に安全で、何よりおいしいパンをお届けできればと思っています。
私のパンを初めて召し上がる方には「白はんなり」か「麹甘酒食パン」をおすすめしています♬
あとは、旬のものを取り入れたパンづくりも意識していますね。今回使用していたふきのとう味噌や、梅ジャムなど、季節の手仕事も大切にしています。
みずえさんのブログより
いろいろなタイプのパン作りを学び、経験されてこられたみずえさん。
この日もお客様おひとりおひとりに、ユル~い感じで天然酵母パンのおいしさを明るく丁寧にお話されていました。
自然体のみずえさんが作られるからこそ、パンもふんわり、はんなり、いくつ食べても重いと感じない、やさしいおいしさに仕上がっているのだと感じました★
■はんなり製パン所
住所:
京都市東山区轆轤町102
営業時間:
工房前販売
毎週金曜日15:00~17:15
(売切れ次第終了)
WEB:
https://4hannari.jimdo.com/
お取り寄せページ:
http://4hannari.thebase.in/
(常温便で発送可能な11月~3月のみ)
Facebook:
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