美味しい食べ物が豊富な秋。
ほくほくしてあま~いさつまいもも秋の味覚の一つですよね!
さつまいもに豊富に含まれる食物繊維には、腸の動きを活発にすることや、便秘改善の効果が期待できます。ついつい食べ過ぎてしまい腸が疲れがちな秋にぴったりの食材ですね。
今回はそんなさつまいもをつかった発酵ドリンクをご紹介します♩
優しい甘さがたまらない!さつまいも甘酒
最初にご紹介するのはさつまいも甘酒!
Haccomachiでも度々ご紹介している甘酒を、さつまいもを使ってつくります。
甘酒はお米に含まれるデンプンを米麹のチカラでブドウ糖に分解してつくりますが、今回はお米の代わりにさつまいもに含まれるデンプンを利用します。
さつまいも本来の甘さに、発酵のチカラが加わり、砂糖不使用とは思えないほど甘く仕上がりますよ。まるで栗きんとんのような味わいを楽しむことができます♪
さつまいも甘酒をつくってみよう!

材料
さつまいも 200g
乾燥米麹 120g
水 230g
◎生米麹を使用する場合は水の量を減らしてご調整ください。
作り方
①さつまいもを蒸して、木べらなどでペースト状になるまでつぶす。

②①がよく混ざったら、水と乾燥米麹を加えよく混ぜる。

③ヨーグルトメーカーを60度に設定し8時間おいたら完成!

※炊飯器でつくる場合は保温モード(50~60度)に設定し8時間おく。
※どちらの場合も、途中で2~3回ほどかき混ぜてください。
※お好みでブレンダーなどで滑らかにしてください
甘酒といえば飲み物という印象が強いですが、さつまいも甘酒はペーストや餡のようなテクスチャーに仕上がります。
一口食べると、さつまいも本来の甘さに加え、発酵によってうみだされた奥行きのある甘みをしっかり感じることができてびっくり!
砂糖不使用なのにスイーツのような甘さで、ついつい食べ過ぎてしまいそうなくらい美味しいです。
米麹の粒感も残っており食感も楽しめました♪これは「飲む甘酒」ならぬ「食べる甘酒」です!
今回のレシピでは麹の甘さがより際立つ仕上がりでしたが、 さつまいもや米麹の量を調整することで、お好みの甘さのさつまいも甘酒がつくれますよ。
保存期間は?
冷凍の場合は1カ月程度、冷蔵の場合は1週間程度で食べ切りましょう。
楽しみ方色々!アレンジ方法
さつまいも甘酒はそのまま食べても美味しいのですが、パンにつけたり、バニラアイスに添えたりするのもおすすめです。
・パンにのせてオープンサンドに

さつまいも甘酒とホイップクリームをパンにのせると、まるでスイーツサンドのような味わいに。 フランスパンの他、クロワッサンやデニッシュ系のパンと合わせるのもおすすめです。
朝ごはんや、ゆっくり過ごしたいおうちカフェの時間にぴったりです。
・さつまいもアイス風に

さつまいも甘酒をバニラアイスと一緒に食べると、さつまいもアイス風のような味わいに!
あたためた甘酒と食べると温と冷のコントラストを楽しめますよ。
(ちなみにさつまいも甘酒を冷凍してそのまま食べるのもおすすめです♪)
他にも、砂糖代わりにホットケーキやマフィンに加えるといつものおやつがさつまいも味に。
手軽に秋を感じることができますね。
また、牛乳やヨーグルトで割って飲むと、さつまいもドリンクにもなります。
上級者向け?!さつまいもを使った乳酸発酵飲料『発酵ミキ』
実は、さつまいもを使った発酵ドリンクは他にも。
2つ目は、奄美大島・沖縄地方で親しまれている「ミキ」をご紹介します!
ミキってなに?
そもそも「ミキ」という飲み物を初めて耳にするという方も多いはず。 ミキとはお米とさつまいも、砂糖を使った乳酸発酵飲料。(さつまいもでなく麦を使用する場合もあります。)
元々は、奄美大島・沖縄地方で稲や穂、粟の収穫祈願をする祭事の際に、神様に捧げるお酒だったそう。ミキは漢字では「神酒」と書き、そのルーツは若い女性が口に含んでつくる口噛み酒なんだとか。口噛み酒は2016年にヒットしたアニメ映画『君の名は。』でも描かれているため、聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
ミキも元々は集落の若い女性が米を噛んで吐き出し、発酵させてつくる方法が主流でした。
しかし、現在は衛生面の問題もあり禁止されているそうです。
そのように古くは神様へのお供え物であったミキですが、近年ではアルコール分の含まれない甘くてトロッとした飲み物に形を変えて、奄美・沖縄地方の方々に愛されています。スーパーでも手軽に購入することができ、祭事のときだけではなく、一年通してミキを楽しむことができます。
白くてトロッとしたテクスチャーの甘酒と発酵ミキ。
その見た目や主な材料にお米を使用しているところも、なんだか似ていますね。
甘酒とミキの違いは、発酵の過程にあります。
甘酒はお米と麹(麹菌)の発酵でつくるのに対し、
ミキはおかゆとさつまいもを乳酸発酵させてつくられます。
(さつまいも甘酒の場合はさつまいもと麹(麹菌))
麹菌の発酵でブドウ糖や必須アミノ酸をつくる甘酒はお米由来の甘さが特徴で、 乳酸発酵のミキはヨーグルトのような酸味が特徴なんですよ。
発酵ミキをつくってみよう
アルコール分を含まないミキは、家庭でも手づくりすることができます。

材料
お米 150g
さつまいも 50g
水 600ml
砂糖 大さじ1
作り方
①お米をといで分量の水でおかゆを炊く。

※今回は炊飯器を使用しました。
②さつまいもの皮をむき、30分ほど水に浸けてアクを抜く。

③①のおかゆが炊けたら混ぜながら40度程度(人肌程度)まで冷ます。
その間に、②のさつまいもをすりおろす。

④おかゆが冷めたら、すりおろしたさつまいもを加えよく混ぜる。

※最初はもたっとして重いですが、しばらく混ぜているとサラサラとして混ぜやすくなります。
⑤均一に混ぜたら、清潔な保存容器に移し替え空気が入る程度にフタをし、常温の室内に置く。 夏場は1日程度、冬場は2~3日程度置いてください。

※様子を見ながら時々混ぜてください。
⑥発酵したら、飲みやすくするためミキサーにかけなめらかにしたら完成!

ミキの表面がプクプクと泡立っていれば発酵のサイン。
味見をしてみて、ほんのり酸味を感じればOKです。
さつまいもとおかゆを乳酸発酵させてつくるミキ。
1日目のものと3日目のもので飲み比べしてみました!
1日目

1日置くだけで、おかゆの粒感は残りつつも、白っぽい液状に。
さつまいもの匂いがふんわりと漂います。気になるお味は、おかゆやさつまいもの素朴な甘さが感じられる味わいでした。
テクスチャーはとろっとして、まるみのある口当たり。
この時点ではヨーグルトのような酸味はほとんどありませんでした。
3日目

1日目よりさらに発酵が進み、テクスチャーもよりサラサラに!
お酢のような香りが感じられます。
飲んでみると、さつまいもの甘さはありつつも、1日目より酸っぱい!
ヨーグルトのような酸味があるすっきりとしたテイストになっていました。
ソーダや豆乳で割るとよりさっぱりし、口当たりよく味わえそうです。
同じ飲み物とは思えないほど発酵の過程で変化を楽しめるミキ。
まさに発酵のチカラを体感することができました。
毎日チェックしながらお好みの味になったときに、冷蔵庫や冷凍庫で保管するのがよさそうですね。
保存期間は?
冷凍の場合は1カ月程度、冷蔵の場合は1週間程度で飲み切りましょう。
また期限内でも、色が極端に黄色い場合や、きつい酸の匂がする場合は飲むのをやめておきましょう。
やっぱり発酵のチカラってすごい!
今回、麹のチカラでさつまいもの甘みを引き出すさつまいも甘酒と、おかゆとさつまいもを乳酸発酵させる発酵ミキという、発酵過程の異なるさつまいもドリンクをつくってみて、二つの違いを体感!
さつまいも甘酒は甘味料を使用していないのに甘みを、ミキは酸っぱいものを使用していないのに酸味を、それぞれしっかり感じることができました。
似たような材料なのに、発酵の過程が違うだけで、異なるテイストがうみだされるのが、発酵の面白いところですね。
改めて発酵のチカラってすごい!
さつまいもが美味しいこの季節に、是非、さつまいもを使った発酵ドリンクをつくってみませんか。
その他さつまいもを使ったレシピ


参考サイト:
▪農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/miki_kagoshima.html
▪公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会
https://oki-memorial.org/column/mikiofferdtospirits0704