発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

最後の一滴まで美味しい まろやかお出汁に舌鼓の「甘酒おでん」

あたたかい鍋ものやおでんが恋しい季節となりました。
美味しそうなお出汁の香りに誘われ、ついついコンビニでおでんを買ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、お鍋の前にアクリル板が設置されたり、ふたを閉めたまま販売されたりなど、売り場の様子も例年とは違い、お店に入ると漂ってくるお出汁の香りも控えめでさみしいですね。

そこで、こんな時期だからこそ、自宅でおでんを作ってみるのはいかがでしょうか。
今回は数ある発酵食品の中から、飲む点滴と呼ばれるほどのたくさんの栄養素が含まれる「甘酒」を使った “発酵おでん”をご紹介します。

甘酒を使いますが甘すぎることはなく、穀物由来のコクや旨みがお出汁に加わり、おつゆの一滴まで美味しいおでんに仕上がります。
発酵食品を使ったやさしいお出汁のあつあつおでんで体を芯からあたため、免疫力を高めていきましょう♪

材料

(約2人前)
〈出汁〉
米麹甘酒 150g
500g
昆布 2~3枚(10cm角)
醤油 大さじ2
白だし 15g
〈具材〉 一例 (種類や量はお好みで)
焼きちくわ 2本
たまご 4個
こんにゃく 1/2枚
大根 1/4個
かにかま 1/2パック
つみれ 6個
3色だんご 2個
かんずり お好みで

〈出汁〉

分量の水に30分~1時間ほど昆布をひたし、そのまま中火にかける。
沸騰する前に昆布を取り出し、甘酒、白だしを入れる。
醤油を少しずつ入れ、好みの味に調節する。

※昆布は前日から水につけておくと出汁がよく出るのでおすすめ。
※昆布の旨みは低温で抽出される&ぬめりを出さないため、必ず沸騰する前に取り出します。

〈具材〉

焼きちくわ
半分のサイズに斜めにカットする。

たまご
水と一緒に鍋に入れ、沸騰したら弱火で10分ゆでる。取り出して殻をむいておく。

こんにゃく
半分にカットしたこんにゃくの両面に2~3mm間隔で格子状に切り込みを入れ、三角形になるよう斜めに切って2等分にする。
塩少々をまぶして5分置いたあと、沸騰したお湯で1分ほど下茹でし、ざる上げする。

大根
3㎝ほどの輪切りにしてから皮を厚めにむく。味がよくしみ込むよう、片面に深さ1cmくらいで十字の切り込みを入れておく。
水と一緒に鍋に入れ、沸騰したら弱火で15~20分茹でる。(竹串がスッと通る程度)

かにかま
そのままでOK。
(煮ると形が崩れやすいので大きめのタイプのものがおすすめ)

つみれ・三色だんご
今回は市販の鶏つみれ・三色だんごを使います。

※他にもじゃがいもやかぶ、手羽元、牛すじ、厚揚げ、ロールキャベツなどもおすすめです。

作り方

出汁に具材を入れ、弱火で30分ほど煮たら火を止めます。
冷めるときに味がしみ込むので、一度冷めるまで待ち、再加熱して食べるのがおすすめ。

※一晩寝かすとさらに味がしみ込み美味しくいただけます。

お好みでかんずりや柚子胡椒、からしなどと一緒にお召し上がりください。

※かんずり…新潟県妙高市に伝わる香辛調味料。塩漬けの唐辛子を雪の上にさらしてあくを抜き、柚子や麹などと混ぜて発酵させたもの。詳しくはこちら

甘酒を使って作るお出汁は、同じく麹を使う発酵食品の味噌のようなニュアンスが感じられるまろやかなもの。

こんなに甘酒を加えて大丈夫?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一口食べると納得いただけるはず。
甘酒のやさしい甘みとコクが昆布ベースのお出汁に絶妙にマッチして美味しいんですよ♪

ただし、甘酒の種類によって味わいに差がでるので、濃縮タイプや甘味の強いタイプのものを使う場合は量を少なくするなどご調節ください。

これからの季節に大活躍間違いなしの発酵食品を使ったおでんレシピ。
残ったおでんのお出汁は、うどん等にも使えます。

少し下ごしらえが必要とはなりますが、市販の具材などをうまく利用して、ぜひこの冬に試してみてください。

発酵カフェ 「漬×麹Haccomachi」

増田 大祐

ホテルで西洋料理全般を担当していた経験を活かし、西洋風の料理や海外の発酵食品を使用したレシピ提案を得意とする。好きな発酵食品はメンマとキムチとナタデココ。

≫発酵カフェ 「漬×麹Haccomachi」

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