発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

味付けは甘酒と醤油だけ!圧力鍋なしで柔らかに仕上げる「豚の角煮」

今回は甘酒と醤油だけで味が決まる豚の角煮をご紹介!
砂糖を使わず甘酒で甘さと照りを出します。
圧力鍋など特別な調理器具を使わず、いつものお鍋でコトコト煮込みます。

ポイントは、“豚肉を前日に甘酒へ漬け込んでおく”こと!
甘酒に含まれる「プロアテーゼ」という酵素の力を借りることで、煮込む時間を短縮しながら(といっても角煮なので少し時間はかかりますが)驚くほど柔らかくジューシーに仕上げることができます。
(プロアテーゼはたんぱく質の分子を分解する働きを持ち、分解されたたんぱく質は旨み成分のアミノ酸に変化します)

甘酒の味わいだけでなく、その特性を存分に生かした本格的な煮込みメニュー。
ぜひレパートリーのひとつに加えてみてください♪

材料

(約2人前)
豚肩ロース肉 400g
長ねぎ 15g(緑の部分も使います)
米麹甘酒 120g
醤油 大さじ2
しょうが 5g
チンゲン菜 一束

作り方

(1)

〈事前の下準備〉
豚肉は前日に以下の準備をしておくと、より柔らかくジューシーな角煮に仕上がる。
(時短する場合は漬け込みなしで作ってもOKですが、この工程ひとつで柔らかさが変わってくるのでやっておくことをおすすめします)
3cm角にカットし余分な水分をふきとり、甘酒に漬け込み冷蔵庫で保管しておく。
作る前に冷蔵庫から取り出し室温にもどす。

(2)

長ねぎは緑の部分をカットした後、4~5cmの長さにカットし細切りに。
水に10分ほどさらし水気を切り、白髪ねぎを作っておく。
しょうがは薄く輪切りにする。

(3)

チンゲン菜は軸に1/4の切れ目をいれ引き裂き、根元についている土を丁寧に洗い、サッと下茹でして水分を切って置いておく。

(4)

鍋に豚肉、(2)でカットしたネギの緑の部分、しょうがを入れ、ひたひたになるくらいの水を入れ中火にかける。

(5)

沸騰したら中火にし、豚肉に火が通るまで約30分ゆでる。
竹串を刺してみて、抵抗なくスーッと通ったらいったん火を止め、ゆで汁を別の容器に移す。
ねぎの緑の部分、しょうがは、豚の臭みを取り香りをつけるために入れていましたが、この先不要なので捨てる。

(6)

別の容器に移したゆで汁を150g程度と、甘酒、醤油を加える。
再び沸騰させ、ときどき豚肉をひっくり返して味を染みこませる。

※小さい鍋で作るときはゆで汁を少しずつ加えてくださいね。
肉に対して煮汁が少なく煮詰まりすぎるようであれば、様子をみてゆで汁を追加してみてください。

(7)

煮汁が減り、豚に照りがでてきたら出来上がり。
仕上げに(2)で準備した白髪ねぎと下茹でしたチンゲン菜をトッピングする。

少ない調味料ながら、しっかりとした味わいに仕上がりご飯のお供にもぴったり。

今回は豚バラ肉ではなく脂身の少ない肩ロース肉を使いましたが、甘酒パワーで柔らかく仕上がっていました♪
付け合わせに卵を入れる場合は、下茹でした後、(6)の工程の最後に加えて2~3分煮汁を絡めてください。

使用する甘酒は、火入れしていない生のタイプのものがおすすめ。
火入れなしの甘酒は、火入れされた甘酒より含まれる酵素(プロテアーゼ)が多く、より発酵の力を実感できるはずですよ。
甘酒の水分が飛ぶことで、煮詰めたあと冷めると煮汁が固まりやすいので、できれば温かいうちにお召し上がりください。(味に変わりはありません)

そのままおかずにするのはもちろん、少し細かくカットして豚の角煮丼にするのもいいですね。
使うお肉は豚肉だけではなく、鶏肉などでも代用できます。

事前に肉を甘酒に漬け込んでおく工程は、角煮だけではなく他の煮込み料理にも有効です。
また、甘酒に漬け込むことで美味しくなるのは肉だけでなく魚も同じ。
魚を甘酒に漬け込んで作るレシピも今後またご紹介いたします!

発酵カフェ 「漬×麹Haccomachi」

増田 大祐

ホテルで西洋料理全般を担当していた経験を活かし、西洋風の料理や海外の発酵食品を使用したレシピ提案を得意とする。好きな発酵食品はメンマとキムチとナタデココ。

≫発酵カフェ 「漬×麹Haccomachi」

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