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味噌からみる発酵食文化(2)味噌汁以外の活用法は?家庭の定番「信州みそ」

味噌からみる発酵食文化

(1)京都の食文化を支える雅な味わい「西京味噌」!
■(2)味噌汁以外の活用法は?家庭の定番「信州みそ」

「味噌から見る発酵食文化」、2回目がやってまいりました。

前回、「京都の味噌といえば」ということで、米麹の甘みが特徴的な「西京味噌」のお話をしました。

お正月に西京味噌でお雑煮を作られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で、「白味噌のお雑煮なんて味が想像できない!」と思った方もいますよね。

普段、何気なく食べている味噌ひとつとっても地域や時代によって種類は様々。
味噌からいろんな文化を知ることができるのは?と、味噌について勉強していこうと思います。

味噌と一口に言っても、原料・味・色で分類されるそうです。

原料での分類で言えば、最も一般的なのは「米みそ」で大豆・米麹・塩がその原料。「田舎みそ」とも呼ばれるのは「麦みそ」でその名の通り麦麹から作られます。そして大豆と塩だけで作られる「豆みそ」があります。

これら3種類に加えて、種類の異なる味噌を混ぜた「混合みそ」が市販され、私たちの食卓に上っているという訳ですね。

さて、京都といえば西京味噌ですが、ほかの地域ではどうでしょうか。

たとえば、「信州味噌」。

鎌倉時代のころに創建された「安養寺(長野県)」が発祥の地だそうで、以降長野県では盛んに味噌作りが行われてきました。

なんでも武田信玄が自身の兵のための兵糧として作らせていたといった説があるのだとか。

その後、救援物資として東京に送ったことから関東地方で親しまれるようになりました。

今では長野県での生産量は日本一を誇ります。(CMで見かける有名な味噌製造会社の本社の多くも長野県に所在しているんですよ!)

信州味噌は光沢のある淡い山吹色で、さっぱりした旨みと豊かな香りが特徴の辛口味噌です。

原材料(米・大豆・塩)は甘口の西京味噌と同じですが、その配分や製造工程の違いがこのような特徴を生み出しています。

西京味噌の塩分濃度が5%前後なのに対して、信州味噌は12%程度。

一見、塩分濃度が高いように思えますが、味噌汁にすると水に溶かすため、実際の濃度はもっと下がっています。

使い方として、定番の味噌汁はもちろんですが、マヨネーズやチーズのような乳製品との相性も抜群!

マヨネーズを和えることで、さらにまろやかで香り良く、コクが深まります。みそマヨを食パンに塗って焼くだけで立派な朝ごはんになります。

毎日味噌汁を作るのが面倒という方でも、これなら簡単に味噌を食べられますね。個人的にはここに半熟目玉焼きものせたいところ…!

上級者におすすめなのが味噌漬け。
漬けておけば、あとは焼くだけなので作り置きにぴったりなんですよ!

味噌汁以外にも活用方法は無限大なので、ぜひ毎日の食生活に取り入れたいものです。