発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

TOKINOHAを訪ねて清水焼団地へーかわいくておしゃれな食器をあらゆる角度から「体験」できる場所ー

今回は、京都のやきものの故郷「清水焼団地」にある「TOKINOHA Ceramic Studio」に行ってきました。

清水焼団地は、東山の東側に位置し、京焼・清水焼の卸問屋、窯元、作家、陶磁器原材料屋など、「やきもの」を生業とする事業者が軒を連ねる町です。

なぜ清水焼団地に?と言いますと、この発酵WEBマガジンを運営している京都一の傳から、清水焼のオリジナル魚皿と西京漬のセットが発売されたからなんです!

京都一の傳は、1つ1つ丁寧に素材を厳選し、手間を惜しまず秘伝の西京漬「蔵みそ漬」を作っています。
以前よりお客様から「魚皿ってあまり好みのものが見つからない」というお声もあり、手塩にかけた西京漬をより美しく、より美味しそうに見える“西京漬のための魚皿”をご提案したいという想いがありました。

それなら同じ京都の清水焼がいい!しかも「使われるための器」をコンセプトに、シンプルで使いやすいけれど美しい器を世に送り出しているTOKINOHAと一緒に作りたい!ということで、清水焼ブランドTOKINOHAとのコラボが実現しました。

そのお皿がコチラです!

TOKINOHAの持ち味がふんだんに散りばめられたシリーズ 「copper」 (ブルー) と 同じ釉薬を使用したシンプルなフラットプレートです。

製品が作られているTOKINOHA Ceramic Studioに伺い、代表の清水大介(きよみずだいすけ)さんに、この魚皿の製造工程やおすすめの使い方などを教えていただきました。

清水焼とは?TOKINOHAのうつわとは?

─ まず、清水焼について教えてください。九谷焼や備前焼と聞けば、なんとなく色合いや質感がイメージできるんですが、清水焼の特徴はどういった点ですか?

清水 実は、「清水焼」には、決められた土や特定の様式・技法があるわけではありません。

京都が都だった頃、日本中の高品質な材料や腕の良い職人が集まり、寺社・仏閣、茶人、貴族などの愛好家の希望に沿って作品を作ってきました。使う人のオーダーに応えるスタイルでものづくりを行い、優れたデザイン性・高度な技術を受け継いできた産地なんです。

─ 知りませんでした!オートクチュールのようなスタイルなんですね。
では、TOKINOHAの器にはどんな特徴がありますか?

清水 コンセプトは、「生活に寄り添う器」です。
日常での使いやすさを意識して毎日の食卓に使っても飽きのこないデザインを目指しています。

─ このスタジオは、工房見学、オリジナルの器のオーダー(メンバー限定)、陶芸体験、TOKINOHAの器で陶芸を味わうフードスタンドなど様々な側面から陶芸に触れられる空間とのことですが、なぜこちらを作られたんですか?

清水 単なる買い物の場所ではなく、陶芸をいろんな角度から「体験」していただき、その体験を通じてTOKINOHAの世界観を体感して欲しいと思いまして。

─ 自分で器を作ったり、製造工程を目にしたりすることで、陶芸がグッと自分ごとになりますよね。

西京漬のための魚皿

実際にコラボ魚皿を作っている様子を見学し、製造工程を作り手さんに教えていただきました。

①粗もみ(土を混ぜるため)

②菊もみ(空気が入っていると、スライスする時に穴が開いてしまうため、空気を抜く)

③叩いて立方体に成形

④ワイヤーで切り出す。1枚ずつ板ではさみ(たたら成形)、反ってしまわないよう重石をする

⑤乾かしてからナイフで型紙(皿のサイズ)に合わせてカットし、表面から裏面にかけてのカッティングをほどこし乾燥

⑥素焼き

⑦本焼成

─ 先ほど工程を見せていただいたんですが、めちゃくちゃ手作業なんですね。
ワイヤーを使って手作業でスライスしたり、カッティングを施したり。

清水 そうですね。工業的に作っている食器と作家ものの中間程度と考えてもらえればわかりやすいかもしれません。
手作りなので、1点1点の形や風合いの違いもあり、そこに魅力を感じてくださる方もいらっしゃいますね。

─ 今回、「西京漬のための魚皿を作りたい」と聞かれた時はどう思われましたか?

清水  京都一の傳さんの西京漬は、ギフトでいただいて食べたことがありました。「おいしいなあ~」と思って、自分の師匠への贈り物にも使ったことがありました。
自分がいいものだと感じていた商品だったので、ご縁を感じましたね。

─ このお皿の特徴はどんな点でしょうか?

清水 魚皿って、探してもあまり好みのものに出会えないとよく聞くので、今回は西京焼が美しく映えるということをテーマに、釉薬にはcopperシリーズ(ブルー)で使われているターコイズブルーを使い、シャープなシェイプを選びました。
魚皿として作りましたが、結果的にニュアンスのあるテクスチャーやカラーを活かしたミニマルなスタイルで、スタイリッシュに仕上がったので、汎用性の高いお皿だと思います。

─ 西京漬との相性、抜群です!ターコイズブルー色合いの中に鉱物を思わせる煌めく表情があり、艶々の西京焼を置くだけで「絵になるな~」と。
西京漬の見た目を一段も二段もランクアップさせてくれるお皿が完成してうれしいです!

清水 こういったフラットプレートって意外と市場にないアイテムなので、お酒と楽しむフードをのせてもいいですし、幅広いシーンで使えそうです。
是非、色々なシーンで試しながら使っていただきたいです。すごく使いやすいと思います。

─  ですよね!
スイーツやチーズも盛りつけてみたんですが、特にスイーツとの組み合わせがすごくかわいかったです。

シンプルなだけに「今度は何を盛ろうかな?」という可能性がどんどん広がります。是非ご自分のライフスタイルの中でぴったりな使い方をたくさん見つけてもらいたいです。
では、最後にTOKINOHAさんの今後の展望をお聞かせいただけますか?

清水 陶芸を後世まで続いていく仕事にしたいですね。

陶芸の世界において、職人を取り巻く環境は決して素晴らしいものとは言えません。
薄暗く閉鎖的で、ものが溢れ、埃っぽい。夏は暑くて冬は寒い。そんな中で我慢しながらものづくりをする職人が多くいます。
職人が生き生きと働け、子供から憧れられる職業になるように、まずは京都から、身近なところから、作り手さんが陶芸を生業としていけるような活動をしていきたいと思っています。

TOKINOHAスタイルで清水焼を継承

美しくて使い勝手が良くて、使う人の生活を彩ってくれる器の数々。
それらを生み出すだけでもすごく意義深いことなのに、それに加えて陶芸職人の労働環境の向上を通じ、清水焼や陶芸が後世まで続いていくことを目指す清水さんは、まさに清水焼文化の継承と進化の担い手であると実感しました。

ちなみに、清水さんは毎朝ヨーグルトを食べ、味噌汁などの味噌料理も愛する発酵大好きびと。
高校までサッカーをされていて、ブラジルに行かれたことがきっかけで、ラテンのノリが大好きなのだそうです。
一方、そんな清水さんの言葉の中で印象的だったのは、「師匠から”日ごろの行動は全部作品にでるぞ”と言われてから、小さなことも気を抜けないんです」という対照的なコメントでした。

TOKINOHA Ceramic Studioに足を踏み入れると、自然光で明るく、すっきりとしながらもあたたかみのある雰囲気が感じられます。
その雰囲気は、オーナーである清水さんのきめ細やかさ・精緻なクラフトマンシップと、ラテン大好きなカラっとした明るいお人柄の融合が投影されたものなのかもしれません。

コラボ魚皿は、西京漬の詰合せ「醍醐」とのセットで、「TOKINOHA×京都一の傳 魚皿&西京漬セット」として、京都一の傳 本店と京都一の傳 お取り寄せページにて販売中です。
詳しい商品情報は、お取り寄せページよりご覧ください。



施設情報

【TOKINOHA Ceramic Studio】
住所:京都府京都市山科区川田清水焼団地町8-1(京阪バス「川田(清水焼団地)」から徒歩3分)
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
電話:075-632-8722
公式サイト:https://tokinoha.jp/