京の奥座敷、大原へ
皆さん大原に行かれたことはありますか?
鉄板Destinationと言えば、「三千院」でしょうか?
しかし、今日の旅の目的はお寺ではありません。大原ののびやかな空気の中での「本藍染」(天然灰汁醗酵建)を体験しにやってきました!
まずは簡単に言葉のご説明です♪
【HELLO!Hacco】用語集
■天然灰汁発酵建(てんねんあくはっこうだて)
化学物質を一切使わない、江戸時代から伝わる来の藍の染液を作る方法。原料となるタデ藍を発酵させた「蒅(すくも)」は希少で、液の管理や染めの作業に手間ひまを要する。
■本藍染
天然灰汁醗酵建による染色技法。正藍とも呼ばれる。
本藍染には「発酵」のチカラが働いていると聞いたことがあり、ずっと気になっていました。
藍色にはのれんや風呂敷で幼いころから親しみがあり、サムライJAPANのユニフォームの色でもあるのに、よく知らないなあ・・・と。
今回は3回に分けて藍染体験や、本藍染がどんなものなのかをお伝えして参ります!
「工房 藍の館」さんに到着~。
藍染の暖簾が涼やかです☆
染めるものとデザインを決めましょう♪
代表の下村さんが笑顔で出迎えてくださいました。
体験の流れの説明の後、「何を染めたいですか?」「どんなデザイン?」と聞いてくださいます。
工房の入り口の暖簾が素敵だったので、
「ストールがいいんですけど、4段階くらいにグラデーションにすることってできますか?」
と伺うと、「できますよ!」と心強いお返事をいただきました。
デザインが決まったら、染める部分と染めない部分を作ります。
今回は、濃く染める箇所、薄く染める箇所、染めない箇所を、液に浸す回数で調整するので、絞りの際に行う縫ったり縛ったりという作業はありません。
染める際に手で持ち易くするために、2センチ幅くらいのアコーディオン状に折り、上端を輪ゴムで縛ります。
できたら、工房へGo!
“静”の染色、藍染
工房にお邪魔すると、藍の香りでしょうか?
抹茶のようなヨモギのような香りがしています。
海苔のような海のニュアンスも。
まずは、お湯の中で優しく洗い、不純物を取り除き、固く絞ります。
甕(かめ)の中の「藍の華(発酵し泡状になった染料)」。こちらは建てる工程の最終段階だそうです。
※「藍の華」:藍を呼吸させるためにかきまぜた時の泡が固まったもの
※「藍を建てる」:藍の染液を作ること。
右手にストールを持ち、一番濃くしたい部分(下部の4分の1程度の箇所)までを染料に沈め、沈めた部分をゆっくりと2分間左手でもみ込みます。
下村さん’s Point①
「藍は静かに扱うのが鉄則です。じゃぶじゃぶと乱暴に扱うと、酸化が進んで藍が弱ってしまいますから。昔、甕に一円玉を浮かべ、それが沈まないように静かに丁寧に染める練習に励んだ方もいたと聞いたことがあります」
2分経ったら引き上げ、丁寧にひだを開いて、全面を空気に触れさせ、2分間酸化させます。
下村さん’s Point②
「まんべんなく空気に触れさせることが大切です。皆さん、染める時は注意深く作業されるんですが、空気に触れさせる時間が短くなりがちです。せっかくもみ込んでも空気に触れなければ色は定着しません」
一番濃くしたい箇所を4回染め&酸化、2番目に濃くしたい箇所も同様にし、3番目も同様の作業を繰り返しました。計12回!
何しろ甕が低い位置にあるので、ずっと片膝をつき、しゃがみ込むような姿勢。
手をまっすぐに伸ばし最短でも2分間は甕の中にストールを浸し続け、しかも静かに手を動かさなければならないので、肩に力が入ってしまいます。
(翌日は足の裏側全体がひどい筋肉痛でした!)
一瞬の色の変化を目に焼き付けて
ようやく最後の酸化が終わり、水洗いします。
濃い緑色のように見えていた部分が、水に触れるやいなや反応して深い藍色に変わったのです!
大原の大自然の中で作品を干し、乾いたら完成です♪
できたできた♬イメージ通りのグラデーションが現れました。ワーイ!
Myファースト藍染アイテムの完成です!!
続く中編では、本藍染とそれ以外の藍染の違いや、下村さんの工房で取り組んでおいでの「天然灰汁醗酵建」の工程などをお伝えしていきます☆
工房 藍の館
住所:
京都市左京区大原大長瀬町276
WEB:
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Facebook:
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Instagram:
@koubou_ainoyakata
※出張が多いため、お越しの際はお問い合わせの上、必ず事前予約をお願いいたします。