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酒どころ・伏見をゆったり楽しむ【後編】|穴場観光スポット・酒蔵見学に日本酒飲み比べも♪

前編に引き続き、京都・伏見の穴場スポットをご紹介します。前回は午前中に「御香宮神社」を訪れた後、「黄桜 伏水蔵」で黄桜の日本酒や地ビール造りについて学びました。

その中で湧き上がる「実際に飲んでみたい」という思いを叶える場所へ行ってみたいと思います!

2階にある「伏水蔵 レストラン」にて、“ここでしか飲めない”日本酒を飲み比べる

200席ある広々とした店内は以前黄桜のお酒が造られていた場所で、天井の配管は当時のままになっているのだとか。ここでは、1本3万円する高級日本酒「黄桜DIAMOND」が1ショット(30ml)1,500円で楽しめたり、日本酒の風味がほのかに香る「京都麦酒 蔵のかほり」、季節限定のビールなど黄桜自慢の地ビール全8種類を1杯から楽しめます。

色んな味を試してみたい、という方には、地ビールの飲み比べセット(3種630円)や、黄桜直営店限定酒2種と純米酒1種がたのしめる日本酒の飲み比べセット(3種・各60ml 600円)がおすすめ。

「ここでしか飲めないお酒が飲めますよ」という店員さんの言葉に誘われ、「大吟醸の飲み比べセット(大吟醸3種・各90ml 1,600円)」を注文。全国新酒鑑評会にて金賞を受賞した黄桜の最高峰ともいえる大吟醸・金賞受賞酒、23年間貯蔵された(時期により貯蔵期間は前後します)長期貯蔵酒、そして作り立ての華祥風(はなしょうふう)を飲み比べることが出来ます。

今回は特別に一口ずつご用意していただので、さっそく飲み比べてみたいと思います!

(左から、金賞受賞酒・長期熟成酒・華祥風〈左二つは直営店のみの取り扱い〉 )

・大吟醸 金賞受賞酒

「これぞ王道の日本酒」といった味わい。ひと口飲んでみると、鼻にスッと華やかな香りが広がり、お米の旨味と甘味を抽出したような澄み切った味わいが口の中に広がる上品で贅沢なお酒です。香りの華やかさ、旨味と甘味の絶妙なバランス、軽やかに余韻を残す後味まで、どんな食事と合わせてもひけを取らない、まさに主人公といったお酒。

・大吟醸 長期熟成酒

他の2つに比べて酸味と甘みが際立っているのは長期貯蔵酒ならでは。なんでも、23年もの長期間熟成された珍しい日本酒なんだとか。こっくりと芳醇で、それでいて絹のような口当たりで大変飲みやすかったです。淡い黄金色が美しく、長い時を経て熟成された様子が見て取れます。角が取れたようなまろやかでコクのある味わいで、スイーツと一緒にゆっくりと飲みたいお酒でした。

・大吟醸 華祥風

飲む前から華やかな香りがふわりと漂い、口にふくめばなめらかな舌触りが印象的です。出来立てのお酒だからこそ感じられる、柑橘系の果物を絞ったようなフレッシュな風味は、ここでしか味わえません。お米の持つふくよかな旨味が花のような香りとともに広がり、この中で一番華やかさを感じました。

飲み比べてみると、味や香りの違いがわかって面白いですね。帰り際、展示をみてからずっと気になっていた「山田錦」を使った地ビールも自分へのおみやげとして購入しちゃいました。

最後は藤森神社で「勝運」を呼び込みましょう

伏水蔵で1時間ほど過ごした後、13:45のシャトルバスに乗り込み、中書島駅に戻ってきました。まだまだ散策できるぞ、ということで、最後に京阪「墨染駅」から5分ほど歩いたところにある「藤森神社(ふじのもりじんじゃ)」へ。

先ほど訪れた「御香宮神社」の主祭神でもある神功皇后が、「三韓征伐(さんかんせいばつ)」で大勝利を得た後に立ち寄り、戦の旗と武具を埋め塚をつくり、神を祀ったのが起源だとされている藤森神社。このことから、藤森神社には「勝負運の向上」などのご利益があると、崇敬されてきました。

神功皇后が旗を埋めた場所は「御旗塚(みはたづか)」と呼ばれ、「いちいの古株」という大きな切り株が祀られ、この切り株に触れると腰痛を治してくれるという言い伝えがあります。なんでも新選組局長の近藤勇もこの古株を参拝したことで腰痛が治ったのだとか。

また「菖蒲(しょうぶ)の節句」の発祥の地とされており、「菖蒲」が転じて「勝負の神様」として崇敬されるようになったともいわれています。

毎年5月5日に行われる「藤森祭」では、境内で「駆馬(かけうま)神事」があり、迫力満点の様々な馬上妙技が披露されます。これより、競馬関係者や競馬ファンもよくお参りに訪れるのだそう。

他にも境内にある紫陽花苑では6月中の開花時期に合わせ、紫陽花祭も開催されているので、この時期に訪れるのもいいですね。(入苑料:中学生以上300円)

ここにも名水・二つとない美味しい水「不二の水」

藤森神社にも御神水が湧き出ています。「二つとない美味しい水」という意味から「不二の水」と呼ばれ、こちらも御香水と同じく、持ち帰ることが出来ます。

近所のパン屋さんも汲みにくることがあると聞き、この土地に住む人は昔から今に至るまでこの水とともに暮らしてきたんだなあ……と思いを巡らせました。

隣に「水六訓」が掲げられていました。

一. 水は尊し
水無くんば成らず、育たす心ある者 その加減を知り水を大切にせよ

二. 水は美し
冷熱に応じて虹と化し氷と変わり 水晶となる

三. 水は清し
常に味わいて飽きず 汚穢を洗い清める

四. 水は強し
いかなる障害にも屈せず、自ら進みて天を成し 地を動かす

五. 水は恐し
人を呑み、船を覆し、山野を汲して 地表をも変貌す

六. 水は深し
その源神に発し 大自然の道を示し、波瀾曲折の人生を思わしむ

特に5番目の「水は恐し」は、まさに最近の大雨による水害でも目の当たりにしたところですね。水とともに生きてきたからこその教訓です。

宝物殿や、日本書紀の編集者舎人親王の崇敬碑など、見どころはたくさん

社務所の手前にある宝物殿には、重要文化財である「紫絲威大鎧(むらさきいとおどしおおよろい)」を始めとする鎧刀などの武具や祭礼絵巻などが展示されており、見ごたえ抜群。さらには中国やタイ、スペインなど各国の馬の民芸品を集めた「馬の博物館」も面白かったです。

こちらには平安時代の刀工・国永によって作られた日本刀(太刀)である「鶴丸」の写しが展示されており、「刀剣女子」と呼ばれる若い女性たちがお参りに訪れる姿も印象的でした。「刀の背景に宿る歴史などもよく調べていてとても熱心に参拝されていますよ」と社務所の方からお伺いし、私も少しではありますが「鶴丸」について調べてみました。

「鶴丸」の号の由来は不明だとされていますが、一説によると、今は現存していない太刀拵(たちごしらえ:太刀の柄(つか)・鍔(つば)・鞘(さや)などの装備)に鶴の紋様があったからと言われています。

皇室の私有財産として宮内庁侍従職が管理しており、宮中祭祀(きゅうちゅうさいし:天皇が国家と国民の繁栄を祈ることを目的に行う祭祀)、例えば、毎年1月1日に実施される宮中での歳旦祭(さいたんさい)などでしかその姿を見ることは出来ないのだとか。

皇室の私有財産として宮内庁侍従職が管理しており、宮中祭祀(きゅうちゅうさいし:天皇が国家と国民の繁栄を祈ることを目的に行う祭祀)、例えば、毎年1月1日に実施される宮中での歳旦祭(さいたんさい)などでしかその姿を見ることは出来ないのだとか。

また、本殿の右手には天武天皇の皇子で『日本書紀』の編纂を行った舎人親王(とねりのしんのう)の崇敬碑があります。舎人親王はここでは学問の神様として祀られていて、願い事が叶うよう念じながら「錬成」と書かれた巻物を撫でると、ご利益を授かることが出来るそうですよ。

御香宮からはじまり、黄桜 伏水蔵、藤森神社と巡り伏見を満喫しました。とはいえ歴史と伝統の息づく町・伏見ですから、見どころはまだまだたくさん。

坂本龍馬ゆかりの地である寺田屋や、月桂冠や宝酒造、キンシ正宗などの酒蔵などもあります。次は酒蔵巡りをしていろんな日本酒を飲み比べてみたいなと思いました。

■今回のルート

・御香宮神社
拝観時間 9:00~16:00
不定休
京都市伏見区御香宮門前町
Tel:075-611-0559
Web site: https://gokounomiya.kyoto.jp/

・黄桜 伏水蔵
入場無料
開館時間 10:00~16:00
休館日 年末年始 ※2018/8/11(土)~8/16(木)は休館
京都府京都市伏見区横大路下三栖梶原町53
Tel:075-644-4488(受付時間/10:00~16:00)
Web site: http://kizakura.co.jp/husimigura/

・藤森神社
拝観・宝物殿開館時間 9:00~17:00
無休
京都市伏見区深草鳥居崎町609
Tel:075-641-1045
Web site: http://www.fujinomorijinjya.or.jp/




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