発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

夏に食べたい梅をアレンジ自在の「梅味噌」に!青梅と完熟梅の違いも。

身近な食材「梅」

私たちにとって身近な食べ物である梅。
おにぎりの具材といえば、梅干しを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

白米とあわせるほか、炊き込みご飯や、おかかやじゃこと合わせて混ぜ込みご飯にしたり、他にも、サラダ、煮物、炒め物にしたりと、何にでもあう食材のため、口にする機会も多いですよね。

今回は、身近にある「梅」の意外と知らないアレコレや、 アレンジレシピの1つ、「梅味噌」のレシピをご紹介します!
梅が出回る季節のいま、梅のことをもっと知って、より美味しくいただきましょう♪

梅のアレコレ

青梅と完熟梅

梅は収穫される時期によって「青梅」と「完熟梅」にわかれます。
収穫がはじまる6月以降、まだ実が青い状態で収穫されたものを青梅、青梅の収穫時期が終わり、実が熟したときに収穫されたものを完熟梅といいます。青梅は、フレッシュな梅らしい香りが特徴。一方で完熟梅は、青梅より柔らかく、オレンジ色の見た目が特徴です。

梅の効果

梅には、体に嬉しい効果がたくさんあるといわれています。
梅干しに含まれる酸味(クエン酸)は、唾液の分泌を促し食欲を増進させたり、消化の吸収を助けてくれたりします。また、クエン酸は疲労物質である「乳酸」を分解する働きもしてくれるため、疲労回復のサポートもしてくれます。
これから迎える、食欲不振や疲労蓄積を感じやすい夏バテの時期に積極的に摂りたい栄養素といえるでしょう。


梅の花

梅は、バラ科サクラ族の落葉高木。
白梅から紅梅などの花を咲かせ、春を告げる花として古くから親しまれています。
梅は大きく分類すると、果実を食べることを目的とした品種の実梅と、花を観賞するために改良された品種の花梅の2種類にわけられます。私たちがふだん食べている食用の梅は実梅の果実にあたります。
梅の花は2月~3月頃に見ごろをむかえ、開花の時期がおわると受粉し、6月頃から収穫の時期となります。
ちなみに、これから迎える「梅雨」の言葉の由来は、「梅」の実が熟す頃にふる「雨」だから、とも言われているんですよ。


梅の歴史
梅が日本に伝わったのは約1500年前。梅の原産といわれている中国から伝来したそうです。

奈良時代・平安時代には、貴族が観賞用や薬用に梅を育てはじめました。当時、大宰府の長官であった大伴旅人は、客人を呼び、自らの庭に咲く梅花を題材に和歌が詠む宴を催したそうです。その宴は「梅花の宴」と呼ばれ、そこで詠まれた32首は日本最古の和歌集「万葉集」にもおさめられています。
戦国時代には、保存性が高いことや栄養を手軽に摂れることから、梅干しが武士たちに重宝されます。梅干しが庶民に普及したのは、江戸時代に入ってから。そこから現代の身近な食材へと変化していったのです。

梅味噌のつくりかた

ツンとした酸っぱさが美味しい梅。
今回は梅を味噌に漬けてつくる、梅の爽やかな酸味と味噌の甘みが特徴の「梅味噌」のレシピをご紹介します。

■材料

青梅     500g
味噌     500g
てんさい糖  250g

STEP.1
梅はなり口を取ってよく洗い、なり口を下にしてキッチンペーパーやふきん、ザルなどにのせ、乾かす。(水分があるとカビの原因になるので、十分に乾かす)
STEP.2
味噌と砂糖を混ぜ合わせたのち、清潔な容器に味噌→梅→味噌と交互にいれていく。味噌は梅の表面をおおうように平らにならす。1~2週間、常温で保管し時々混ぜる。(夏場で室内温度が高い場合は、冷蔵庫で保管してください。)

★発酵ポイント:梅がぷくぷくしていたら発酵の合図です。

STEP.3
砂糖やみそがなじんだら梅の実を取り出し、梅の実と種を分ける。
実は細かく刻んで容器に戻し、混ぜたら出来上がり!
完成
完成後は冷蔵庫で保管ください。

食べごろは?

完成後直後ももちろん美味しいのですが、おすすめの食べごろは1カ月後ほど。
時間が経つにつれだんだんと味がなじんでくるので、味にぐっとまとまりが感じられます。 鋭角的ではなく、まるみのある口当たりの良い甘酸っぱさが楽しめます。

完成後、約1カ月経った梅味噌

他の材料でもつくれる?

①梅について
青梅のほか、完熟梅や冷凍梅でも梅味噌はつくることができます。 冷凍梅の場合、梅のエキスが早く抽出され漬かりやすくなるため、発酵はしにくいものの、カビの発生リスクが抑えられます。

②味噌について
だし入りの調理みそや加工みそではなく、無添加のものがおすすめ。 また腐敗を防ぐため、西京味噌などの塩分が少ないものも避けたほうが無難です。

③砂糖について
てんさい糖のほか、上白糖、黒糖、きび砂糖などでも代用可能です。

保存期間は?

冷蔵庫の場合は3カ月~半年ほど保存可能。
冷蔵庫にストックがあると、これからの季節、ちょっとずつ使用することができます。 風味の良いうちに食べきりましょう。

梅味噌をアレンジして食べてみよう

夏野菜と梅味噌

夏野菜に梅味噌をかけるだけで、色鮮やかな一品に。 みずみずしい夏野菜とさっぱりとした梅味噌の味わいが相性抜群ですよ。
野菜のほか、冷ややっこや焼いたお肉などに添えるのもおすすめです。

梅味噌冷やし麺

夏といえば食べたくなるのが、うどんやそうめんなどの冷やし麺。
ツルッとしたのどごしで、食欲が低下しがちな時期でも食べやすいですよね。
梅味噌のほか、きゅうりやトマト、大葉や海苔を添えて、出汁や鶏だしスープと一緒に召し上がってください。お好みで鰹節、しょうが、しらすや大根おろしなどを加えるのもおすすめです。梅味噌の酸味がほどよく、さっぱりとした味わいが楽しめます。


「梅味噌」のアレンジの幅はいろいろ。 私はキャベツと豚肉をフライパンにいれたあと、ごま油・水・たっぷりの梅味噌で蒸し焼きにして食べるのにはまっています♪
もちろん、炊き立てのご飯とそのまま一緒に食べても美味しいです。
是非、この夏は冷蔵庫に梅味噌をストックしてみてはいかがでしょうか?

おうちで作れる発酵食品

乳酸菌がたっぷり!夏野菜で作る「水キムチ」で夏バテ対策 旬のそら豆で!自宅で簡単手作り♩辛うま万能調味料「豆板醤」