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赤くない、辛くない乳酸菌たっぷりの「水キムチ」
みなさんは「水キムチ」って聞いたことはありますか?
米のとぎ汁にカットした野菜を漬け込んで作られるキムチのことで、韓国ではムルキムチと呼ばれています。
通常のキムチはたっぷりの唐辛子と一緒に漬け込むため、赤く、そして辛く仕上がるのですが、水キムチは透明なスープとあっさりとした酸味で辛くないのが特徴。
辛いものが苦手な方でも食べやすく、特筆すべきはその漬け汁。水キムチはスープを味わうもの、と言われるくらい旨味たっぷりの味わいで、乳酸菌が豊富に含まれているんです。
汁は水キムチと一緒に食べるだけでなく、冷麺のスープに使うのもおすすめ。さっぱりとした味わいで栄養満点なので、夏の腸活にぴったりですよ!
どうやって発酵するの?
水キムチの乳酸菌はどこからやってくるの?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、水キムチはザワークラウトと同じように野菜にもともとついている乳酸菌が、米ぬかや果物の糖分を食べて発酵するというメカニズム。
乳酸菌とともに摂るとよいとされる食物繊維を含む野菜と一緒に食べられる体にうれしい発酵食品です。
おうちで作る「水キムチ」
そんな水キムチですが、普通のキムチと比べ、日本ではまだあまり普及していないこともあり、スーパーなどではなかなか買えません。
でも、実は自宅でも作ることができるんです!
通常のキムチは、材料が多く、成熟するまで数カ月かかるなど、自分で作るハードルが高いのですが、水キムチは材料も用意しやすく、発酵期間が短いのでおうちでも気軽に作ることができます。
発酵食品の手仕事というと、秋~冬にかけてのものが多いイメージですが、水キムチは今の季節でも試しやすい手作り発酵食品のひとつ。
ぜひ、今の時期に旬の野菜を使って作ってみてください!
材料(作りやすい分量)
★きゅうり 2本
★ズッキーニ 1本
★パプリカ 1個
りんご 1/4個
※★の野菜とりんごで大体500gになるくらい
にんにく 1片(お好みで)
しょうが 1片(お好みで)
鷹の爪 2本(お好みで)
米のとぎ汁 500ml(とぎ汁がない場合は、500mlの水に米粉か上新粉大さじ1/2を混ぜたものでも)
塩 小さじ1~2
甘酒 大さじ1
〈使う容器は煮沸消毒もしくはアルコール消毒して、雑菌が入らないようにする〉
作り方
①米のとぎ汁(1度めのとぎ汁は捨て、2~3回目のよく研いだ濃いめのとぎ汁を使う)と塩を火にかけ、沸騰したら火を止めて冷ましておく。
②りんご、にんにくは薄切りに、しょうがは千切りに、★の野菜は食べやすい大きさにカットする。
★の野菜は塩(分量外・小さじ1ほど)をまぶし(もみこまなくてOK)水気が出るまで30分ほど置き、軽く洗ったら水気をしっかりと取る。
③★の野菜、りんご、にんにく、しょうが、種を取った鷹の爪を保存容器に入れる。その上に①と甘酒をかけ、なるべく空気が入らないようラップをのせ、最後に軽く蓋をする。
④夏場は1日程度、冬場は2,3日常温に置いて発酵させ、ぷくぷくと細かい気泡が出てきたら冷蔵庫に移す。
食べてみて、野菜にほどよく酸味があれば完成です。 冷蔵庫で1週間ほど保存できますが、だんだんと色が悪くなってくる(特にりんご)ので、なるべく早く食べきりましょう。
昆布を入れたり、にんにくやしょうがの量を調整したり、辛いものが苦手な方は鷹の爪を入れずに作るなど、自分好みの味わいにカスタマイズしてください。
実際に、韓国では家庭ごとに漬け汁のアレンジが違ったり、大阪屈指のコリアンタウンである鶴橋の水キムチは、お店ごとに違った味わいだったりと、多種多様の味が存在します。
野菜は、今回使ったものの他にも、白菜、みょうが、にんじん、茹でた青菜やオクラなどもおすすめ。 また、今回は甘酒とりんごの糖分を乳酸菌の餌にすることで発酵させましたが、甘酒を入れる場合はりんごなしでも作れます。 レシピによっては、甘酒を砂糖やはちみつに、塩を塩麹に、りんごを梨にしたものもあります。
漬け汁、野菜などをいろいろ変えて作ってみてください!
失敗しないコツ
野菜は新鮮なものを
新鮮な野菜の方が乳酸菌が豊富で発酵しやすい。
保存容器や調理器具も清潔に
保存容器は煮沸するか、アルコールでしっかり消毒した清潔なものを。野菜を手で触る場合は、手をしっかりと洗う、手袋をするなど清潔な状態で調理する。
なるべく空気に触れさせない
空気に触れたところから腐敗していく可能性があるので、常温に置いて発酵させる際には、野菜が空気に触れないようしっかりとラップする。
水キムチの汁をスープに!クセになるさっぱり冷麺
水キムチの汁はそのまま冷やし麺のスープに活用できます。
韓国風冷麺やそうめん、冷やしうどんにそのままかけて、お好みでナンプラーや醤油、酢で味を整えてください。
冷麺の具材には水キムチと、チャーシューや鶏ささみなどのお肉を。
からしを添えたり、途中ですだちやレモンを絞っても美味しいですよ。
季節の野菜でお腹も整うオリジナル水キムチを♬
さっぱり、あっさりとした味わいで、暑い日でもお箸が進む水キムチ。
米のとぎ汁に含まれる米ぬかが発酵を促す鍵となるなんて驚きですよね。
寒さの厳しい朝鮮半島では、白菜や大根で水キムチを作り置きし、冬に不足しがちなビタミンや乳酸菌を補給していたんだとか。(冬に食べる大根の水キムチは「冬沈(とんちみ)」とも)
今は夏のイメージの強い水キムチ。そのままサラダとして食べたり、そうめんや細めのうどんで、一味違った冷麺にしたり、色々なアレンジで楽しんでください。