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初心者でも簡単!1日で完成する「手作り味噌」 失敗しないコツも伝授

保温して1日で完成!自家製白味噌

甘酒や塩麹と並び、人気の高い“手作り発酵食品”のひとつ「味噌」。

手作り味噌キットが販売されていたり、ワークショップが開催されていたりと間口の広い手作り味噌ですが、熟成期間の長さやカビが生える心配などから、甘酒、塩麹に比べて少しハードルが高いのも事実。

今回はそういった心配が少なく、自宅で初めて味噌を作る方にもおすすめの「ヨーグルトメーカーや炊飯器を使って1日で作る白味噌」を作っていきます。

白味噌ってどんな味噌?

今回作る白味噌は、京都の西京味噌のように、塩分が少なく熟成期間が短いもの。(製法によっては塩分濃度の高い白味噌もあります) 赤味噌に比べ米麹の比率が高いので甘みがあり、熟成期間が短いため淡いクリーム色をしているのが特徴です。
こっくりとした上品な甘みで、味噌汁や味噌漬けといった和食だけでなく、グラタンやシチューなどの洋食や、さらにはお菓子作りにも向いているお味噌ですよ!

失敗しないコツ付き★「白味噌」の作り方

白味噌作りの流れを大まかにまとめると、【(1)大豆を水に浸す(2)大豆の皮をむく(3)大豆を茹でる(4)大豆をつぶし麹、塩とよく混ぜる(5)容器に詰め発酵させる】という5ステップ。
今回は、(1)~(3)の工程を大豆の水煮を使うことで手軽にし、(5)の発酵の工程をヨーグルトメーカーを使って時短する方法で作っていきます!

下準備

使用する容器や調理器具などは、煮沸や消毒液でしっかりと消毒しておく。(清潔なものを使うことで雑菌が入らないようにする)

材料(作りやすい分量)

水煮大豆(蒸し大豆) 200g 
★今回は蒸し大豆を使いました(蒸し大豆の方が栄養素の残留量が多いため)
米麹 200g
塩 25g
水 150cc

作り方

①水煮大豆(蒸し大豆)をジッパー付き袋に入れ、手や麺棒などでしっかりと潰す。

②米麹と塩をボウルへ入れ、よく混ぜる。

③ ①で潰した大豆と水をボウルに加え、さらによく混ぜ合わせる。

④ヨーグルトメーカーの容器に移し、60度で8時間を目安に保温する。発酵を均一に進めるため、途中で2~3回かき混ぜる。

⑤保管用の容器に移したら完成!

さらに美味しく作るひと手間

自分で大豆を煮る・蒸す
今回は市販の蒸し大豆を使いましたが、自分で大豆を煮て作る方法も。
前日から浸水させたり、鍋で煮たりという手間はかかりますが、浸水後の大豆の皮をむくと、より滑らかで舌触りの上品な白味噌に仕上がります。

細かく砕いた米麹を使う
米麹をそのまま使っても美味しく仕上がりますが、塩と混ぜ合わせる前にフードプロセッサーなどで米麹を細かく砕いておくと、米麹の粒が残りにくく、滑らかに仕上がりますよ。

完成した白味噌をミキサーでかく拌する
最後に白味噌をミキサーでかく拌することでなめらかにすることもできます。
今回はこちらの方法で滑らかに仕上げました。

ヨーグルトメーカーがない場合は

炊飯器の保温機能で作ることも可能です。
大豆と米麹、塩を混ぜたら炊飯器に入れ、蓋は閉めず上から濡れ布巾をかけ、表面が乾かないよう保温します。 60度以上にならないようにご注意くださいね。

また、ヨーグルトメーカーや炊飯器を使わず、常温で2週間ほど熟成させて作るという方法も。 その場合は、ジッパー付き袋や保存容器に空気が入らないように詰めて保管します。 半年ほど熟成させて作る赤味噌と同じく、空気に触れさせないことでカビが生えるのを防ぐので、味噌をまるめて叩いて空気を抜きながらぴっちりと詰めていきましょう。
常温で作る場合のおすすめはジッパー付き袋。袋に入れた後も毎日揉んで位置をずらすことでカビが生えにくくなるので失敗しづらいですよ♬

うまく作るコツってあるの?

甘酒や塩麹などを作るときと同じく、調理器具や保存器具をきちんと殺菌消毒すること(雑菌などの他の菌が繁殖することを防ぐため)が失敗しないコツ。
また、保温温度が低いと発酵がうまく進まず、逆に高いと過発酵してしまうので、なるべく55~60度に保つようにしましょう。(ヨーグルトメーカーを使う場合は温度を設定できるので特に気にしないで大丈夫です◎)

気になる簡単・時短 白味噌の保存期間、保存方法は?

今回作った白味噌は塩分濃度を低めに仕上げているので、作った後は冷蔵庫で保管し、1か月を目安に使い切ってください。
短時間で出来るのでなくなったらまた作る…この気軽さがうれしいポイントです。

素材と発酵の力!そのまま食べたくなる味噌

早速作った白味噌を食べてみました。

まずは一口…、大豆の風味がダイレクトに伝わってきます!保温して置いていただけなのに麹菌の力で甘さが加わり、奥深いコクのある味わいに仕上がっていて驚きです。ほどよい塩味で味見のはずがどんどんそのまま食べてしまいました。

思ったよりしっかりと塩気を感じるので、お好みで少し塩を減らしたり、米麹を増やしたり、発酵時間を少し長めに調整してもよいかと思います◎(常温で作る場合は、塩分濃度を下げるとカビが発生しやすくなるので注意が必要です)
自分好みにアレンジできるのも手作り味噌のいいところですね♬

おかずからスイーツまで♬白味噌のアレンジレシピ

そのままでも美味しいですが、様々な料理で活躍する白味噌。 Haccomachiで公開中のレシピを一部ご紹介します!

西京味噌を使いきる① 野菜がススム!「白みそヨーグルトソース」「白みそマヨネーズソース」

もともとの白味噌の美味しさを活かす簡単アレンジ。 混ぜるだけで野菜がどんどん進むディップソースが作れます。 もちろん手作り白味噌をそのまま野菜につけて食べるのも美味しいのでぜひ試してみてください。


体がぽかぽか温まる クリーミーなスープが美味しい「白みそ豆乳鍋」

寒い時期におすすめなのがこちらの洋風鍋レシピ! 〆のリゾットがクリーミーでまた美味しいんですよ♬白味噌はチーズとの相性もばっちりです◎


京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.7〉お正月に使った西京味噌とお餅でつくる「西京味噌あん餅」

お正月に余ったお餅があれば、こちらのレシピもとってもおすすめです。 白味噌で作る餡がとっても美味しく、Haccomachi編集部内でもファンの多いレシピのひとつです。

自分で作る味噌って美味しい

今回は1日で作るのでそこまで仕込み時期にこだわることはないのですが、通常の味噌作りは「寒仕込み」といって1~3月ごろに仕込む冬の手仕事。冬に仕込むのは、材料の大豆や麹が出そろう時期であること、気温が低いことによりはじめにゆっくりと発酵させられること、冬の間はカビの原因となる雑菌などが繁殖しにくいことが理由だそうですよ!

今回の味噌は主に麹菌の力を借りて作りますが、長期熟成をする味噌は麹菌以外にも乳酸菌などさまざまな菌が混ざり合って出来上がります。 熟成期間が短い味噌は甘く大豆の風味がしたり、長期熟成の味噌はほどよい塩味や発酵のコク深さがあったりとそれぞれに個性と良さがありますよね。

手塩にかけて作ったものを食べるというのはもちろん、材料や製法がきちんと分かったものを食べられるというのも、手作りの魅力。
私はこちらの味噌が初チャレンジの手作り味噌だったのですが、次は半年熟成の味噌を作ってみたい!と感じました。 編集部内に味噌作り体験に何度か出かけているメンバーもいるので、作り方やコツを教えてもらおうと思います!

>味噌づくりの体験記はこちらから読めます。