日本酒コンシェルジュに聞く
■vol.1 学べば世界が広がる!日本酒の世界
■vol.2 初心者でもハズレない日本酒の選び方
■vol.3 日本酒の土台は「酒米」にある!?
■vol.4 世界が変わる!おすすめ日本酒3選
梅雨入り間近のじめじめと蒸し暑い季節。こんなときこそよく冷えたビールを飲みたいと、友人と共に某クラフトビール専門店に向かいました。
少し早い時間でしたが、日曜日ということもありほぼ満席。お店の方に相席でも良いか聞かれ、そこで出会ったのが、今回お話を聞かせていただくPonさんでした。
日本酒コンシェルジュ通信とは
京都で会社員として働くかたわら、「日本酒コンシェルジュ」のひとりとして活動されているPonさん。
日本酒文化を楽しむガイド「日本酒コンシェルジュ通信」の活動に関わりながら、日本酒文化を広めるため日々奮闘されています。
「日本酒に興味があり勉強してみたいので話を聞かせてください」とお願いしたところ、快く受け入れてくださったので、後日京都市内某所にてPonさんと再会。
なんとこの日のために、たくさんの資料や書籍をもってきてくださいました。
・日本酒語辞典:日本酒にまつわる言葉をイラストと豆知識でほろりと読み解く
こいしゆうか(誠文堂新光社、2017)
・日本酒ガールの関西ほろ酔い蔵さんぽ
松浦すみれ(コトコト、2015)
・日本酒のペアリングがよくわかる本
葉石かおり(シンコーミュージック、2017)
私が特に興味があったのが、こいしゆうかさんの『日本酒語辞典』という本でした。
ゆるくてかわいいイラストで、日本酒に関連する言葉をわかりやすく面白く解説されていて、日本酒素人の私にもぴったり。
また、日本酒好きが高じて、酒米にも興味を持ち熱心に勉強されているということから、『酒米ハンドブック』/副島顕子(文一総合出版、2017)もおすすめしてくださいました。
好きになったらとことんなPonさん。
まずは、日本酒コンシェルジュとしての活動についてお話していただきました。
─ いろんなイベントを行われていますよね。
Pon 「学びの場」としてイベントを開催していて、定期的にワークショップも開いています。
特に力を入れているのは、去年の10月頃から初めた「日本酒テロワールキャノンボール」というワークショップです。
ワインの世界での「テロワール」に相当するものが日本酒に影響しているのか、もしあるとしたらどういうものなのかという疑問から、日本酒のテロワール・地域性を探ることを目的としてスタートしました。
※テロワール:ワインの原料であるブドウをとりまくすべての自然環境のそれぞれの特徴のこと。
Pon 毎回、都道府県をひとつ選びそこの日本酒を5~6本用意し、それぞれ3分間ブラインドでテイスティングします。
テイスティング中は私語厳禁で、3分経ったら一人ずつ感想を発表していき、その地域の特徴についてディスカッションしています。
─ とても楽しそうですが、難しそうですね……。
Pon そんなことないですよ。一人ひとりがそのお酒を味わって感じたことを大切にする場にしているので。
参加者の皆さんそれぞれが真剣に日本酒に向き合う姿勢が、ディスカッションをしやすい空気を生み出していると感じています。
─ (参加者のコメントを見せてもらいながら)確かに、何かに例えたりオノマトペだったり、難しく言うのではなく感じたことをそのまま表現されてますね。
Pon そうなんです。おかげさまで、現在13都道府県分が完了しました。
─ 趣味から始まったことが、立派に研究として実を伴っているなんて、想像以上に奥深いですね。
Pon 好きというよりも、おもしろいとか、もっと知りたいといった気持ちが原動力になってますね。
〈日本酒文化を受け継いだうえで、新しい文化を創り出す責任があること。そして新しい文化を創り出すということは、飲み手が日本酒を楽しむこと・日本酒を飲むことそのものであること〉
という考えのもと活動されているのが、「日本酒コンシェルジュ」の皆さんだという訳です。
もはや趣味の域を超えて日本酒愛を深めていられるPonさん。
膨大な知識量と熱い情熱を目の当たりにして、かなり昔から日本酒好きなのかと思いきや、意外にその歴は5~6年ほどなのだとか。
次回はPonさんが日本酒に目覚めたきっかけや、自分好みの日本酒の見つけ方についてお伺いします。
vol.2へつづく。
■PROFILE
Pon
友人に勧められた日本酒を飲み、電撃が走る。その一杯に出会い、日本酒の魅力にとりつかれる。飲み方スタイルは、お酒に寄り添い語り合う。自家熟成家。日々思うことは、「日本酒を支えてきた全ての文化と人々に今日も感謝」
Web:日本酒コンシェルジュ通信 https://umio.net/sake/
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