はっこまち初めてのインタビューには、フードコーディネーターの安藤菜美さんにご登場いただきます。
「健康」がテーマの糀料理専門ケータリング「Yururi」を運営されているだけでなく、1日カフェ・糀食堂「Yururi」の開催や、発酵食をテーマにしたイベントへの参加、「発酵食大学」で発酵食エキスパート1級を取得するなど、幅広く活動されています。
そんな安藤さんに、発酵食の魅力やパワー、毎日食べるコツなど、「発酵」をキーワードにお話をお伺いしました!
“食”を見直したときに気づいた発酵の力
発酵食が大好きという安藤さん。幼いころから日常的にたくさん食べてこられたのかと思っていたのですが、毎日意識して食べるようにし始めたのはここ1年半くらいなんだとか。
─ 発酵食品を意識し始めたきっかけはなんでしょうか?
安藤 社会人になって環境が変わり体調を崩しがちになったことですね。外食やコンビニで買ったものですませたりすることが増え、同じ食べるなら体に良いものをしっかり食べよう、「食」を見直してみようと考えたのがきっかけです。
─ なぜ発酵食品だったのでしょうか?
安藤 意識して野菜を摂るようにしましたが、一度にたくさん食べるのはなかなか難しくて……。でも発酵食品なら調味料としても使えると聞き、普段の料理にプラスするだけで無理しなくても毎日食べられるかなと思ったからです。
使い始めてからいろいろ勉強しだすと、すっかりはまってしまって!おいしいのはもちろん、発酵食品が私の体質に合っていたんですね。
発酵食を意識して食べだしてからは、外食やコンビニごはんが続くと体が重いと感じるほどです。
─ そんなに変わるんですね!確かにお会いした時からお肌がきれいだなと思っていました。
安藤 ありがとうございます!元々アレルギー体質だったり乾燥肌だったりであまりお肌の調子が良くなかったんです。それに環境の変化やストレスの影響もあってぼろぼろに……。
でも発酵食品を取り入れだしてから、お肌の調子がよくなったなと感じるようになりました。それに便秘がちだったのも改善されたと思います。
─ 発酵食品って確かにおいしいですが、それを活用したお料理というと物足りないイメージなんですが……?
安藤 塩分控えめだったり薄味だったりすると、どうしても満足感が足りなくなりますよね。私もどちらかというとはっきりした味のほうが好きなので、出汁をしっかりとったりするなど満足感を出すための工夫はしています。
それに最初は物足りないと感じるかもしれませんが、1週間もたてば素材の旨みや風味、コクを楽しめるようになりますよ。
コツは「毎日食べる」こと
─ 毎日発酵食品を使って料理をすると聞くとハードルが高く感じます……。
安藤 私も最初は大変でした!一度の食事すべてに取り入れるのは難しいと思ったので、まずはいつものお料理に少しプラスすることを心がけました。
元々発酵食自体が、日本食に根付いているので、違和感なく取り入れることができますしね。
たくさん食べることより「毎日少しずつ」を続けることが大切だと思います。
発酵食品を摂るためにいつもと違うことをするのは大変ですが、毎日食べているものにプラスするほうが簡単ですからね。
─ 毎日使うのにおすすめなのは何ですか?
安藤 「甘酒」ですね!手作りするのがおすすめです。自家製だと加熱しなければ菌が生きているし、手間をかけた分おいしく感じます。
私は、料理にお砂糖代わりとして使うことが多いです。自然な甘さで、味に深みがでるんですよ。
今まで甘酒は苦手だったんですけど、調味料として使い始めてからは苦手意識もなくなりました。
凍らせるとシャーベット状になるので、解凍せずにそのまま削ってお料理に入れたりコーヒーや紅茶に入れたりしてます。時間がなければ凍っているのをそのまま食べてもOKですよ!
おいしいとかわいいの両立
─ 料理をするなかでほかに意識されていることはありますか。
安藤 「彩り」は意識しています。おいしく感じるためには視覚も満足させてあげる必要があると思うので。
和食とか発酵食って、どうしても茶色いものが多くなって地味なイメージがありますよね。
実際、作った後に「今日煮物ばっかりだな」と思うことも多くて。もちろんおいしいですが、見た目がかわいいほうがテンション上がるじゃないですか。
例えば、同じキャベツでも紫キャベツをつかうとか、ちょっと色味が足りないなと思ったらにんじんのオレンジを足すとかの工夫はしています。
たとえば、にんじんだったらキャロットラペにして常備菜にしておけば、副菜としてすぐに使えるのでとても便利ですよ!
─ 安藤さんのインスタの投稿見せていただいたんですが、確かにカラフルでおいしそうな写真がたくさんで「カフェみたい!」と感動しました。
安藤 ありがとうございます。発酵食品のおいしさを伝えたいという思いから、いろいろ考えて試して作ってみるのが楽しくて!
発酵食品の魅力を伝えるために開催している料理教室では、習ったその日に家でできるレシピを紹介しています。日常に取り入れやすくすることで好きになっていただければうれしいです。
「発酵食のある暮らし」を届けたい。
安藤 発酵食品を食べ始めたおかげで、毎日が充実しています。たくさんの選択肢があるなかで、体に良い食べ物を選ぶことの重要性に改めて気づかされました。
─ 「食べること」に対して丁寧に向き合う安藤さんの姿勢はとても魅力的です!最後にこれからの夢について教えていただけますか?
安藤 発酵食の良さを発信し続けていくのはもちろん、お料理をするなかで出来た様々なつながりを大切にしたいと思っています。
今はスペースを借りて1日限定のカフェをオープンしたりしているのですが、ゆくゆくは自分のお店を持つのが夢です。
たくさんの人に食べてもらって「おいしい」と思ってもらいたいんです!
発酵への愛がじっくり伝わってくるお話をたくさん聞かせていただき楽しかったです。インタビュー中、終始笑顔が素敵な安藤さんでした。お店をオープンされるのが待ち遠しいですね!
PROFILE
安藤 菜美(フードコーディネーター)
1990年生まれ。「発酵食のある暮らし」をコンセプトに、1日カフェ「糀食堂 Yururi」や糀料理専門のケータリング「Yururi」で発酵食を日々に取り入れる工夫を発信中。
Web site:http://qq2q.biz/HzyA
Instagram:@nami_ _1025