2020年2月、京都・鞍馬口の藤原食品さんで開催された味噌づくりに参加してきました。 講師は、以前インタビュー企画「藤原食品・社長に聞く」にもご登場いただきました、藤原食品の藤原社長!
大豆を扱っていらっしゃることから、以前よりお母さまがご近所の方々に味噌づくりをお教えになっていたのだとか。 「味噌を実際に作ってみて、どうやってできてるか理解するのって、若い人たちにとってもいいことなんじゃないかって思うんですよね」ということで、毎年1月~3月に開催されているそうです。
さっそく味噌づくりSTART!
体験した味噌づくりの流れをご紹介していきます。 準備物は以下。
・蒸した大豆 ・米麹 ・食塩 ・板酒粕 ・保存容器 ・ガーゼ ・新聞紙 ・ヒモ
塩切り
まず、たらいに塩を入れ、そこに米麹を投入!
麹を指でバラし、塩とよく混ぜあわせます。
この作業は塩切りと呼ばれ、混ぜ合わせたものを「塩切り麹」と言います。
大豆と塩切り麹を混ぜる
私達が塩切りをしている間、藤原さんは、大きな大きな釜で大豆を蒸してくださっていました。
蒸し上がった大豆がコチラ♪
「鴨川納豆」に使用されている滋賀県産のオオツルという品種で、ふっくらツヤツヤで、まばゆいばかりです★
一粒いただくと、ほのかな甘みとしっかりとしたうま味が口いっぱいに広がります。
塩切り麹に半量ずつ投入! この大豆たちを手でつぶしていきます。
あまりに熱々なので、手袋をしようかな?と思いましたが、「熱いので気を付けて作業してほしいんですが、できるだけ素手でつぶしたほうがいいですよ~」と聞いたので、指の腹や手のひらで狙いを定めてつぶしていきます。
なぜ素手のほうがよいのかというと、味噌が発酵する際、米麹の麹菌と一緒に、私たち人間の皮膚にいる常在菌や、作る場所の空気の中の常在菌が混ざり合っておいしい味噌ができるからなんだそうです。
同じ材料で仕込んでも人の持つ常在菌によって味が変わるなんて、まさに発酵の神秘! これぞ味噌を手作りする醍醐味といえますね。
冷えてなかなかつぶれなくなってきた大量の大豆を一心不乱につぶし続けること約1時間、、、 なんとか大きな粒がなくなりました~。
完全に粒をなくしてもよいし、ある程度粒を残してもよく、「そこはお好みでよい」ということを伺い、助かりました(笑)。
手作り味噌を保存容器へ
保存容器に詰める前に、底にカビ防止のための塩を敷きます。 その後、味噌をお団子状にした野球ボール程度の味噌玉を作ります。
そしてそれらを容器の中に投げつけながら入れていきます。 空気を抜くためにこういった作業をするそうです。
味噌玉を入れては、味噌の中にできるだけ空気が残らないよう、ギュっと押し込むのがポイントです。 空気が入るとカビが発生する原因となるので、しっかりしっかり押し込みました。
すべて詰め終わったら、表面に塩を振ります。
その上にガーゼをかぶせ、ガーゼの上に蓋をするように板状の酒粕を敷き詰めます。 酒粕のおかげで味噌が空気と触れず、カビが生えるのを防ぐことができます。 地方によっては、甘酒や出汁を取った後の昆布で表面を覆う方もいらっしゃるとか。
新聞紙で上部を覆い、ひもで新聞紙を固定したら完成です!!
仕込んだお味噌は、風通しのよい、涼しいところで保管します。 お味噌さん、美味しくなってね~。半年後にまた会いましょう!
手作り味噌を保存容器へ
そして、もう1つのお楽しみは、お土産♪ なんと、藤原食品さん謹製の5種の納豆をいただけるんです!!夢の納豆三昧~
ちなみに、発酵カフェ「漬×麹 Haccomachi」の発酵盛りだくさんボウルと納豆ピザには、小粒の納豆を使用してます★(メニュー詳細はこちら)
仕込み終えて
一昨年大原で手前味噌デビューしたのですが、そのお味噌が感動的に美味しかったんです! 保存料や添加物の入っていない、まじりっけのないお味噌って、こんなに美味しいの!?と。
その時と今回では作業の順序やつぶし方も若干異なっていたので、味噌づくりも十人十色なんだな~と。 味の違いが発見できるのか、楽しみがひとつ増えました♪
味噌の仕込みは一年中可能ですが、「寒仕込み」といって、寒い時期に行うことが多いようです。 気温が低い冬に仕込むことで発酵がゆっくりと進み、味に深みが出るのだとか。 また、この時期は雑菌が繁殖するリスクが低いことも、味噌仕込みに適していると言われる理由です。
皆様も来シーズン以降、“手前味噌”を作り、ご自身だけのオリジナル味噌を楽しまれてみてはいかがでしょうか?