発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

Hacco×和菓子さんぽ① 目指すはあぶり餅?玉の輿?

私にとって、京都の一番の魅力は、たくさんの和菓子に出会えることです。

今回は、大好きなお菓子のひとつ、「あぶり餅」をご紹介したいと思います!

そして、あぶり餅は今宮神社の門前名物、ということで、こちらならではのいくつかのスポットを訪ねます。

今宮さんWALK①:阿呆賢(あほかし)さん


今宮神社は、平安時代の994年、疫病を鎮めるお社として洛北の地に創建されました。

4月には健康長寿を祈る伝統の祭り「やすらい祭」が行われることでも知られています。

こちらは拝殿。拝殿の左手に進むと、「阿呆賢(あほかし)さん」という名前の石があります。

「神占石(かみうらいし)」とも言われ、心を込めて石を軽く手で撫で身体の悪い箇所をさすれば、病気が早く治る、と伝えられています。

また、「重軽石(おもかるいし)」とも呼ばれ、

①まず軽く手の平で三度石を打ち、持ち上げる。
②もう一度願い事を心の中で唱え、三度手の平で撫でて持ち上げる。
③最初に持ち上げた時よりも軽いと感じれば願いが叶う。

との言い伝えがあるそうです。
私もやってみましたが、二度目のほうが軽く感じましたよ~。(感じたはず!!)

今宮さんWALK②:織姫社

巨大な赤茶色の石柱が目をひく「織姫社」。
右手前に建てられているのは、織機で織物を織るための道具「杼(ひ)」をモチーフにした献灯碑です。

織姫乃大神、栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)が祀られる織姫社は、氏子である西陣織業者の方々により創建されました。

栲幡千千姫命は技芸の神様としてもあがめられており、織物の神様として西陣の織物関係業者の人達の信仰を集めてきたとか。

織物の神様ならではの佇まいですね♪

今宮さんWALK③:桂昌院(けいしょういん)のレリーフ

そしてこちらの神社、パワースポットとして若い女性たちの注目を浴びているそうです。

それというのも、「玉の輿」ということわざの語源となった「お玉」とゆかりがあるから。

諸説ありますが、もともとは西陣の八百屋の娘だったお玉が、春日局に認められ、三代目将軍 徳川家光の側室となり、その後「桂昌院」として五代目将軍綱吉の生母にまで上りつめました!!

そのお玉によって復興された神社なので、「玉の輿神社」と言われるようになったそうです。

社務所では、なんと「玉の輿守」というお守りを発見!
金時にんじん、聖護院大根などの京野菜が刺繍されているのは、お玉が八百屋の娘だったからなのでしょうか♬

今宮さんWALK④:鯰(なまず)の台石

そして最後にもうひとつ、こちらならではのスポットを。

桜門の東側に位置する東門との間に、宗像三女神を祀る宗像社があります。

社壇の台石に長さ60cm程度の鯰の彫り物を発見。
宗像三女神は交通安全や財運などのご利益のほかに、「美」を司る神様としても知られています。

この社は俗に「弁天さん」と呼ばれ、鯰は弁天様のおつかいとして彫られたものだと言われています。


参拝の後は、いよいよあぶり餅をいただきます♡
この朱色の「神橋」を渡れば2軒のお店が見えてきます。

あぶり餅とは?

あぶり餅とは、きな粉をまぶした親指大の餅を竹串に刺し、炭火であぶったあとに白味噌のタレをぬった餅菓子です。

参道には向かいあって2軒、あぶり餅を出す店があります。

当時、京で流行していた疫病を鎮めるための御霊会が行われた時、そのうちの1軒、一文字屋和輔の創業者が、あぶり餅を今宮神社に奉納しました。
その奉納されたあぶり餅を食べた人々の病気が治り、たちまち元気に。

その頃からあぶり餅には病気・厄除けのご利益があると言われはじめ、今宮神社への参詣の帰りにはあぶり餅を食べる風習が定着したと言われています。

あぶり餅を味わう:「かざりや」さんにて

今回まずお邪魔したのは「かざりや」さんで、東門を出た旧参道の南側のお店です。
創業は江戸初期といわれ、約400年以上の歴史を誇ります。

炭火で炙る様子を間近で拝見しました。
きな粉が付いた状態で炙るんですね。

築200年以上になる京町家の店内には座敷、テーブル席、縁側席や中庭席などがあり、風情豊かです。

「あぶり餅」(お茶付き税込み500円)をお願いし、さあ、できたてをいただきます!!

ふんわりとした食感のお餅に、コクのある甘味の白味噌ダレがた~っぷりと絡んで優しいお味です☆☆

おもちの形やサイズが1本1本ちがうので、焦げ具合やタレの絡み具合も少しずつちがいます♫

手作りならではのおいしさを存分に楽しむことができました。

食べ終わったあぶり餅の竹串を見ると、Yの字に割れていました。

お餅に刺さりやすくするためでしょうか?

これ、実はただの竹串ではありません。
今宮神社に奉納された斎串(いぐし)が使われているのだそうです。

だから、病気・厄除けのご利益があると言われているのですね。

あぶり餅を味わう:「一和」さんにて

続いて、参道の北側の「一和(一文字屋和輔)」さんへ。

西暦1000年創業で、日本最古の和菓子屋さんと言われています。
逸話も多く、応仁の乱の後飢餓に苦しむ民衆に餅が振る舞われた、千利休がお茶菓子に使用した、といったことも伝えられているのだとか。

手際よく炙られている様子を拝見しつつ、お座敷へ。
坪庭が目の前に広がる贅沢なお席に座り、「あぶり餅」(お茶付き税込み500円)の到着を待ちます。


細長く整然と串に打たれ、白味噌ダレをまとったあぶり餅。

神々しい陽の光を受けながら運ばれてきました。
西京味噌の濃厚な風味がたまりません★

25代目でいらっしゃるご当主より、本田味噌さんの西京味噌をご使用と教えていただきました。

炙ることによる香ばしさと、クリスピーな食感が絶妙!!何本でもいただきたくなるおいしさでした。

時代を超え、愛され続ける味わい

私が初めてあぶり餅を食べたのは、約20年前。
お餅ときなこについた焼き目の香ばしさ、ふわりと鼻に抜ける白味噌の風味とこっくりとした味わい。

初めて食べたときからその美味しさは不変でした。(400年前、1000年前からあるのですから、20年で変わりっこないのですが☆)

平安時代の人々は、どんな服を着て、どんなところで、どんな会話をしながらこのお菓子を口にしていたのでしょうか?まさにTimelessですね。

伝統を受け継ぎ次世代に繋いでいらっしゃるかざりやさんと一和さん。
両店に感謝の念を抱きながらあぶり餅をおいしくおいしくいただきました。

■かざりや

住所:
 京都市北区紫野今宮町96
営業時間:
 10:00~17:00
定休日:
 水曜日(1日・15日・祝日の場合は翌日)
TEL:
 075-491-9402


■一和

住所:
 京都市北区紫野今宮町69
営業時間:
 10:00~17:00
定休日:
 水曜日(1日・15日・祝日の場合は翌日)
TEL:
 075-492-6852