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材料は生姜だけ!旨味と栄養抜群の万能調味料「発酵しょうが」の作り方

暦ではもう春ですが、肌寒い日が続いています。
三寒四温という言葉通り、寒暖差も相まって体調を崩しやすい季節でもあります。

「冷えは万病のもと」ということわざにもあるように、体温が低くなると、免疫の働きがにぶくなります。 肌寒く、暖かい日や寒い日が交互にやってくるこの時期には、きちんと基礎体温を上げて体調管理したいもの。

今回は体を温める食材の代表格である“生姜”を使った発酵食品「発酵生姜」に注目してみました。 この記事では発酵生姜の作り方のコツや保存方法、そしてアレンジレシピまでをご紹介。
発酵生姜で温活して、体の不調を吹き飛ばしましょう!

そもそも「発酵生姜」とは?

発酵生姜は、すりおろした生姜や刻んだ生姜を乳酸発酵させて作る発酵調味料。
発酵させることで生姜のツンとした香りや辛みがマイルドになり、旨味やコクが生まれます。
また、乳酸菌を一緒に摂れるようになることで、体を温めるのはもちろん、他にも様々な効果が期待できるのもうれしいポイントですね。
さらに、発酵させることで保存期間も長くなります。
「チューブの生姜は添加物が気になる、でも生の生姜はすぐ使わないといけないし…」そんなお悩みまで解決できるのがこの「発酵生姜」です。

発酵生姜のからだにうれしいポイント

(1) 体をあたためる

生姜の辛み成分である「ジンゲロール」は血の流れをよくし、冷えを改善する働きがあります。 さらに熱を加えると、ジンゲロールは「ショウガオール」に変化。こちらにも体を芯からあたためる効果が期待できます。

(2) 免疫力UPの助けに

体が温まると、免疫を司る血液中の白血球の働きが活発になります。また、植物性乳酸菌と生姜の食物繊維が一緒に摂れるのもうれしいポイント。 乳酸菌と食物繊維は免疫細胞が多くいる腸内の環境を整える手助けをしてくれます。

(3) 抗酸化作用

老化の原因である活性酵素を取り除く作用をもつファイトケミカル。 生姜の辛み成分であるジンゲロール・ショウガオールも実はこのファイトケミカルの一種です。 抗酸化作用によって、アンチエイジングにも役立ってくれそうです。

(4) ウイルスを撃退

ジンゲロール・ショウガオール(特にジンゲロール)には、強い殺菌作用があり、風邪の原因になるウイルスや細菌を撃退してくれるのだとか。 前述の免疫力や抗酸化力を高める作用と合わせて、ウイルスや細菌に強いからだに近づけそうです。

(5) 消化を助ける

体を温めることで、内臓の血流がよくなるので、胃腸の働きが活発になります。さらに、生姜にはたんぱく質を分解する酵素「ジンジベイン」が含まれており、胃腸の負担を軽くしてくれる効果もあります。

【保存版】失敗を防ぐポイント付き!発酵生姜の作り方

■材料と準備物

材料:生姜300g
準備物:おろし金、ボウル、キッチンペーパー、保存容器(瓶)(250ml~400ml)

■作り方

〈下準備〉
調理器具、保存容器は煮沸消毒、もしくはアルコール消毒をして清潔に保つ。同じく手もよく洗い清潔に。
ポイント1:雑菌がいるとうまく発酵せず腐敗が進んでしまいます。どの発酵食品づくりにも言えることですが、とにかく清潔にして雑菌を不活性化するのがポイントです。

① 生姜をよく洗う。丸めたアルミホイルで表面をこすって泥を落とす。
水分をしっかりとふきとったらおろし金で皮ごとすりおろす。(フードプロセッサーでもOK)
ポイント2:水分が混ざってしまうと腐敗しやすくなるので、洗った後、しっかりと水気を取ってください。
ポイント3:皮を一緒にすりおろすことで、乳酸発酵を促します。

② すりおろした生姜を汁ごとすべて瓶に詰める。空気が入らないように隙間を埋めたら、ラップを敷いて蓋をする。
ポイント4:腐敗や酸化の原因となるので、空気にふれないよう、しっかりと詰めてください。

③ 冷蔵庫で2週間ほど保管したら完成。
ポイント5:空気や雑菌の侵入をふせぐため、2週間蓋を開けないでください。

失敗と成功の見分け方

少し色が濃くなったり、赤みが出てくる分には大丈夫ですが、明らかにくさったような臭いを感じたり、ぬるぬるしていたり、白カビ・黒カビが生えている場合は腐敗している可能性が高いので食べないようにしましょう。

保存方法と使い方

使うときには清潔なスプーンなどで使用する分だけを取り、それ以外はまた密封して冷蔵庫で保管してください。
半年くらい冷蔵保存できますが、上記のような変化を感じたら食べないでください。
また、前半は生で、後半は加熱して使うのがおすすめです。
普通の生姜と同じようにお料理にとり入れることができるので、生姜の代わりに使ってみてください!

日々にとり入れたいアレンジレシピ

カフェタイムぴったりの発酵生姜ココア

ココア(カップ1杯分)に小さじ1ほどの発酵生姜を入れるだけのドリンクアレンジはいかがでしょうか。
血糖値の上昇を穏やかにする働きのポリフェノールや食物繊維が入っているので、食後の飲み物にもぴったりです。
生姜を入れることでからだがぽかぽか温まりますよ!生姜の香り成分のシネオールにはリラックス効果もあるんだとか。休憩時間にもおすすめです。

朝からパワーチャージ!発酵生姜入り甘酒

甘酒(カップ1杯分)に小さじ1ほどの発酵生姜を入れるアレンジもおすすめ。
ブドウ糖を効率よくエネルギーにして摂り入れることができる甘酒は朝に飲むことで1日の始まりをサポートしてくれます。
食物繊維が豊富な生姜を入れることで味わいに変化が出るほか、腸活にももってこいの1杯に。もちろん体も温めてくれます。

王道おかず 発酵生姜の生姜焼き

生姜を使ったおかずといえば、豚の生姜焼きを思い出す方も多いのではないでしょうか。
いつもの漬け込みダレに使う生姜を発酵生姜に置き換えることで、発酵生姜を簡単に日常にとり入れることができますよ。
ほかにも、Haccomachiで以前紹介した「ヨーグルト味噌漬け」に少し発酵生姜を加えるアレンジもおすすめです。 発酵パワーでやわらかくジューシーなお肉やお魚が楽しめます。

生のまま摂り入れられる 発酵生姜の和風ドレッシング

醤油大さじ2、オリーブオイル大さじ2、酢大さじ1/2、発酵生姜小さじ1、砂糖小さじ1をしっかりと混ぜ合わせ、乳化させてドレッシングに。 発酵生姜を生で使うため、乳酸菌を加熱せずに摂り入れられる使うアレンジです。
そのまま野菜にかけたり、お刺身やきのことまぜてマリネ風にしても美味しく食べられます。

毎日継続して食べるのが鍵!発酵生姜で上手に温活を♩

実は私は生姜が好きでよく買うのですが、なかなか使いきれず余りを捨ててしまうこともありました。
すりおろし、発酵を待つ手間はあるものの、作ってしまえば長い間生姜の美味しさを楽しめる発酵生姜は、生姜チューブ代わりに常備したい調味料のひとつになりました! 発酵食品は一度に大量に摂るのではなく、毎日少しずつ摂るのが効果を感じやすいと言われています。
日持ちし、さらにどんな料理にもアレンジしやすい発酵生姜は、毎日継続して摂取するのに使い勝手のよい発酵調味料なのではないでしょうか。 ぜひ皆さまもお試しください!