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実は種類豊富な「酢」!味の違いや、おすすめの使い分けをご紹介

酢のアレコレ

お寿司やマリネ、南蛮漬けなどのお料理をはじめ、マヨネーズやドレッシングなどにも使われている「酢」。わたしたちの食卓に欠かせない調味料の一つですね。 特に今のような暑い時期には、さっぱりとした味わいの酢漬けや酢の物が食べたくなる!という方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな酢の歴史や種類、味わいの特徴についてご紹介したいと思います。

酢も発酵食品!

ちなみに、酢も発酵食品であることはご存知でしょうか? 酢は、糖質を含む食材を原料とし、それをアルコール発酵させたのちに酢酸発酵*させたものです。
*食酢をつくる微生物である酢酸菌の力によって、原料である酒のアルコール成分が、酢の主成分である酢酸にかわること。

酢の歴史

酢は、食塩に次いで古い調味料といわれています。放置していた酒が自然に酸っぱくなり、それを調味料として使うようになったのがはじまりなんだとか。

日本では、4~5世紀頃に中国から伝来し、初めて酢がつくられました。酒を造る技術と一緒に海を渡ってきたようです。奈良時代になると、朝廷や貴族専用の贅沢品として酢が用いられるようになりました。一般庶民に酢が広まったのは江戸時代に入ってから。明治時代には、製造技術が発展し量産されるようになり、日本の食卓には欠かせない調味料へと変化していったのです。

最古の和歌集「万葉集」では「醤酢(ひしほす)に 蒜搗(ひるつ)き合(か)てて 鯛願ふ・・」(蒜*をまぜ合わせた醤酢で鯛を食べたいなあ)という歌が詠まれており、これは酢に関する日本最古の記述だといわれています。時代は違えど、さっぱりとした酢醤油で美味しい魚を頂きたい気持ちは同じということに心が和みますね。
*ネギやニンニク、ニラのような香りの強い野草のこと

実は沢山ある!酢の種類

一口に酢といってもその種類は様々。スーパーの陳列棚にもたくさんの酢が並んでいますよね。それぞれの酢の特徴についてみていきましょう。

穀物酢

麦、粟、酒かす、とうもろこし等、複数の穀物をバランスよくブレンドしてるくられた酢。炒め物や揚げ物など加熱する料理に使うのがおすすめ。すっきりとした味わいで和洋中何にでも合います。日本で最も多く生産されている酢でもあります。

米酢

お米が原料の酢。刺激が少なく、まろやかな酸味の味わいから、すしや酢の物、酢味噌など加熱せずに食べるお料理と合わせるのがおすすめ。和食の味付けに使われることも多い酢です。

黒酢/黒玄米酢/米黒酢

玄米が原料の酢。玄米特有のコクのある風味と、発酵・熟成により褐色や黒褐色の見た目が特徴です。中華料理との相性が良く、酢豚はもちろんのこと、揚げた肉や魚の上から黒酢あんかけにしてかけるのもおすすめです。

果実酢

果実が原料の酢。リンゴ酢をはじめ、カボスやスダチ、キウイ、イチゴなどを使用したものまで、多彩な果実酢が製造されています。ブドウを原料とするバルサミコ酢も果実酢の一つなんですよ。フルーティーで香り豊かな味わいの果実酢はサラダやドレッシングにもぴったり。炭酸やはちみつで割れば、ドリンクとして飲むこともできます。


その他にも、泡盛の製造過程でつくられたもろみ粕が原料の「もろみ酢」や、酒かすが原料の「赤酢(粕酢)」、さとうきびが原料の「きび酢」など、たくさんのお酢が世に出回っています。

特に意識せず冷蔵庫にある酢を使っている方も多いと思いますが、ぜひこの機会にお料理に合う酢を使ってみるのはいかがでしょうか。WEBマガジン「Haccomachi」では酢を使ったレシピをいくつかご紹介していますので、是非あわせてご参考ください♬

酢を使ったレシピ記事 作り置きにもおすすめ! 揚げずに作る 彩り野菜とサーモンの南蛮漬け風食欲増進!お酢の力で夏バテ知らず!「カラフルピクルス~はちみつレモン風味」砂糖不使用!甘酒で甘さと照りをプラスする「鶏の甘酒黒酢照り焼き」

発酵カフェ「Haccomachi」でも

果実は季節によって変わります。

発酵カフェ「Haccomachi」では、京都のお酢ブランド〈村山造酢〉さんの「千鳥酢」に、季節の果実を漬け込んで作った「季節の果実酢ソーダ」をご提供しています。まろやかな酸味と弾ける炭酸は暑い夏にぴったりの果実酢ドリンクですよ!

参考サイト・文献:
株式会社 Mizkan お酢を知ろう!
https://www.mizkan.co.jp/osu-information/base/howtouse.html
ferement books・おのみさ「発酵はおいしい!-イラストで読む世界の発酵食品-」,株式会社パイ インターナショナル,2019年12月