和菓子で唯一の発酵食品!くず餅って?
腸内環境を整える発酵食品。
できれば普段の生活から少しずつとり入れたいですよね。
今回は、発酵食品のバリエーションを広げたい方にぴったり。 和菓子で唯一の発酵食品「くず餅」をご紹介します!
まず初めに、勘違いが起きやすい「くず餅(久寿餅)」と「葛餅」の違いついてお話します。
どちらも同じ名前で見た目も似ていることや、黒蜜・きな粉をかけて食べる和菓子ということもあり、「同じもの」と認識されがちですが、実は全くの別物なんです。
「葛餅」はマメ科植物のクズの根より抽出したでんぷん「葛粉」を原料とするのに対し、 「くず餅」は長期発酵させた小麦でんぷんを原料としています。
同じ「くずもち」でも発酵食品といえるのは、 小麦でんぷんを原料としている「くず餅」のみとなります。
ちなみに「葛餅」は主に関西でつくられ、「くず餅」は関東でつくられる銘菓です。
よくみると色味も少し違います。
「葛餅」は透明~半透明の透き通った見た目なのに対し、「くず餅」は乳白色の白っぽい見た目をしています。
くず餅はどうして「発酵食品」なの?
では、和菓子で唯一の発酵食品「くず餅」はどのようにしてつくられるのでしょうか? つくりかたを詳しく紐解いていきましょう。
くず餅のつくりかた小麦粉に水を加えて練り生地をつくる。
発酵期間はなんと1~2年!手軽に食べられる甘味ですが、実は手間暇がかけられていることが製造工程からわかります。
くず餅をお取り寄せして食べてみよう!
関東以外に住んでいる場合、なかなか見かけることがない「くず餅」。
せっかくなのでお取り寄せで楽しんでみましょう。
今回は、おすすめのお取り寄せできる「くず餅」を3つご紹介したいと思います♩
住吉「独鈷(とっこ)久寿餅」
最初にご紹介するのは、創業以来100余年山門前にお店を構える住吉の「独鈷 久寿餅」。
「まっつぐ*な物を作る」という先代の想いを受け継いだ伝統の味をいただけます。
くず餅のかたちは綺麗な三角形をしています。
驚いたのはその食感。もっちりとしているのに歯切れがよく、力強い弾力が感じられます。小麦でんぷん由来の甘みや酸味も感じられ、くず餅だけでもしっかりとその味わいを堪能することができました。一切でも満足感たっぷりのくず餅です。
山信食産「江戸久寿餅」
次にご紹介するのは、昭和三十年創業の「山信食産」の江戸久寿餅。こちらの江戸久寿餅ですが、なんと発酵期間は730日(2年)以上!長期間発酵させた小麦でんぷんを使用しています。くず餅には食べやすいよう切れ目が入っているのですが、その切れ目がわからないほどつるっとした表面が特徴的でした。
一口食べると、そのなめらかな舌触りにびっくり。くず餅特有のぷるん!もちっ!とした食感を実感することができました。くず餅がもつ甘みもしっかり感じられました。
船橋屋「元祖くず餅」
最後にご紹介するのは、文化2年(1805年)創業の船橋屋のくず餅。創業から現在に至るまでの歴史は218年!江戸時代から代々受け継がれてきた船橋屋ならではのくず餅をいただくことができます。形は食べやすい小ぶりサイズ。一口でパクッと食べられます。
気になるお味ですが、もちっとした食感に加え、発酵由来の穏やかな酸味が感じられました。そして特記したいのが、沖縄産の黒糖をベースに数種類の糖を独自にブレンドした船橋屋秘伝の「黒蜜」。コクのある甘みがしっかりと感じられ、あっさりとした口当たりのくず餅との相性は抜群でした。
ぜひ一度“和菓子で唯一の発酵食”を味わってみるのはいかがでしょうか?
【参考サイト】
独立行政法人 農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002929.html
紀文アカデミー
https://www.kibun.co.jp/knowledge/dento/kuzumochi/index.html