発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.5〉 -グレープフルーツが爽やかな「醤油麹ピクルス」-

普段日常ではなかなか知ることのできない和食のいろはをお届けする「和食講座」。 京の伝統料理・西京漬を作り続けてもうすぐ100年の老舗「京都一の傳」本店の料理長 佐藤暢郎が、いつもよりちょっと本格的な和食をおうちでも取り入れられるようなレシピや、日本料理ならではのちょっとしたコツ、四季折々の食材の話をお伝えしていきます。

前回は発酵調味料“醤油麹”を使った「舞茸の醤油麹ソース」をご紹介しました。今回は、これからのホームパーティーシーズンに作りたくなるようなレシピをお願いしたいです!

料理長 佐藤

わかりました!色々とご馳走が並ぶと思うので、箸休めになり、色どりもきれいな「醤油麹ピクルス」はどうですか?
いいですね!Haccomachi編集部はお酢好きメンバーが揃ってるので、ピクルスは超超ストライクです!グレープフルーツを使うんですね!

料理長 佐藤

そうですね。一般的にはピクルス液は酢・水・砂糖・塩・香辛料・ハーブ等で作ると思うんですが、お酢の鋭角的な酸味が苦手な方もいらっしゃるので、果汁を使えばフルーティで程良い酸味のピクルスになるんですよ。
確かに、お酢によってはツーンとくる酸味がありますよね。ほかにはどんな果汁がおすすめですか?

料理長 佐藤

柑橘類であれば、レモンやかぼす、みかんなどでもおいしくできますよ。あとは、果汁100%のりんごジュースでもいいですね。
そして、醤油麹もピクルス液に入るわけですね?

料理長 佐藤

はい。醤油でもおいしく出来上がりますが、醤油麹に変えることで、旨みがUPしまろやかさがプラスされます。では、作っていきましょう。

「醤油麹ピクルス」の作り方

材料

赤パプリカ 1/2個
黄パプリカ 1/2個
キュウリ 1/2本
玉ねぎ 1/4個

【ピクルス液】
グレープフルーツ 1玉
砂糖 30g
酢 30g
醤油麹 60g

作り方

①野菜を食べやすいサイズにカットし、耐熱性のガラス瓶に入れる。

②グレープフルーツをジューサー等で絞り、ザルで濾す。

③鍋に②とその他ピクルス液の材料をすべて入れ、中火にかけ、煮立たせる。粗熱がとれたら①に入れる。

④冷蔵庫でひと晩以上漬け込めば完成!

きゅうりの種を包丁でそぎ落されてましたが、種は入れないほうがいいんですか?

料理長 佐藤

そうですね、種には水分が多いので、取り除いた方が食感良く仕上がります。また、ヘタ(果実のつる側の先端部分)には苦味があるので、取り除いた方がおいしく食べられますよ。
ヘタのことは知りませんでした!豆知識ありがとうございます。切ってから野菜をガラス瓶に詰めていくのって、楽しいですね。彩りを考えながら作る工作みたいです。

料理長 佐藤

そうですね。家族やお友達と一緒に楽しみながら詰めるのもいいですね。
では、明日試食させていただきます♬

翌日試食してみました! いただいてみて感じた3つの「いいね!」をご紹介します。

1つ目は、その色合いです。
以前料理長から教わった醤油ピクルスは、お醤油の味わいがしっかりと野菜に浸みこんでとっても美味しかったのですが、野菜そのものの色合いが醤油の色に染まっていました。しかし今回のピクルスは野菜の色もほど良く残り、カラフルな出来栄えに大満足です。

2つ目は、フルーティな風味です。
グレープフルーツの爽やかな香りと風味がとっても心地よく、酸味がまろやかなので、パクパクといくつでも食べられてしまいます。これからの季節はみかんで作ってみたくなりました。

3つ目は、コクと旨味です。
醤油麹のチカラなのでしょうか?野菜たちを噛めば噛むほど豊かなコクと旨味がほとばしり、ピクルス→白ワイン→ピクルス→白ワイン のループ確定!のおいしさでした。

皆さんも、醤油麹とフルーツでお好みのピクルスを作ってみられてはいかがでしょうか?
西京焼など、メイン料理の付け合わせとしてもご活用ください。
次回は、醤油麹を使った炊き込みごはんのレシピをお届けします♬

これまでの料理長の和食講座はこちら

京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.1〉 – 7月のレシピ紹介:「鱧」×発酵食品「酢」 京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.2〉 – 季節のお味噌汁【夏】 京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.3〉 – 「出汁」の取り方、「出汁」を使ったレシピ 京都一の傳 本店 料理長の和食講座〈vol.4〉 –きのこの風味が濃厚!醤油麹を使った「舞茸の醤油麹ソース」-

「京都一の傳 本店」では、毎月、旬の食材がたっぷり使われた季節の前菜をはじめ、椀物、炊き合わせ、そしてメインには京都一の傳秘伝の西京漬を丹念に焼き上げた「蔵みそ焼」をお楽しみいただける月替わりのコース料理をご用意してお待ちしております。

京都一の傳 本店

所在地
〒604-8121
京都市中京区柳馬場通り錦上る十文字町435番地

営業時間
1階 お買い物 10:00~18:00/2階 お食事 11:00~16:00(L.O.14:30)

電話番号(お食事専用ダイヤル)
075-254-4070(受付時間10:00~18:00)
※お食事は事前のご予約をおすすめしております。
※新型コロナウィルスの影響で飲食営業を臨時休業、時短営業している場合がございます。詳しくは公式ホームページをご覧ください。

公式ホームページhttps://www.ichinoden.jp/
公式インスタグラム@ichinoden
公式Facebook@ichinden

京都一の傳 本店 料理長

佐藤 暢郎

大阪の有名和食店やホテルで研鑽を積んだ後、自身の和食店「素料理さとう」をオープン。ビブグルマンを獲得し、その後2017年5月に京都一の傳 本店料理長に就任。素材の味わいを活かしつつ、お客様に新たな発見をお楽しみいただけるような料理を信条としている。