菌塚とは?
みなさん、京都府左京区の曼殊院門跡にある「菌塚」はご存じですか?
菌塚とはその文字通り菌の霊を弔うためのもの。
昭和56年に元大和化成株式会社・取締役社長の笠坊武夫氏によって建立されました。
そこには、研究や開発のために死滅した菌類に感謝し供養したいという笠坊武夫氏の願いが込められています。
ちなみに、菌塚には、納豆菌(枯草菌)が祀られているそうですよ。
そんな日本で唯一菌を供養できる「菌塚」に行ってきました!
曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)は「洛北屈指の名刹」とも言われ、平安時代に最澄というお坊さんによって創建されたのが始まり。名勝指定をうけた枯山水の庭園が有名です。ちなみに、曼殊院門跡が有する不動明王(黄不動)は国宝なんですよ。(お不動さん好きにはたまりませんね!)
菌塚までの道のり
白川通から坂道を上っていくとのどかな風景が。
いかにも閑静な住宅街なので、こんなところにあるの……?
と思いながらも道なりに歩いていくと「曼殊院」と矢印の書かれた看板がありました。
しばらく歩くと武田薬品工業の京都薬用植物園が。
目的地の「菌塚」まではもう少しです。
薬用植物園の横を抜けて坂道をのぼると左手にある弁天島には、弁財天が祀られる「弁天堂」と菅原道真を祀る祠「天満宮」があります。
写真の中央が弁天堂この天満宮、曼殊院のなかでいちばん古い建物なんだそう。
弁天堂をすぎるとすぐ、正面に立派なたたずまいの勅使門が。
菌塚に行くため、勅使門からやや北側の曼殊院通用門へ向かいます。
曼殊院の拝観は有料ですが、菌塚は無料で見せていただけます。
拝観受付で寺院の方に声をかけ芳名帳に署名しましょう。
通常は立ち入り禁止区域
寺院脇の道を東に進むと緑生い茂る中に、静寂の中、ひっそりとたたずむ「菌塚」が!
目には見えないけれど、人間の生活のあらゆるところで助けになってくれている菌たちへの畏敬の念が感じられます。
「人類生存に大きく貢献し犠牲となれる無数億の菌の霊に対し至心に恭敬して茲に供養の憶を捧ぐるものなり」 という碑文からも、私たちの生活を支えてくれている菌への感謝の気持ちが感じられます。
現在でも、毎年5月には菌塚法要が行われており、全国各地の微生物研究に携わる方が参加されています。
祀られている納豆菌をはじめ、お味噌や醤油、日本酒、お酢などの発酵につかわれる麹菌などの微生物に手を合わせるのです。
菌は目には見えない小さな存在ですが、私たちの生活を豊かにしてくれている大切な存在です。
洛北に訪れる際は、ぜひお参りしてみてくださいね。
喧騒から少し離れて、静かに過ごしたいときにぴったりの場所です。
住所:京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
TEL:075-781-5010
拝観時間:9:00~17:00(受付は16:30まで)
拝観料:一般600円 / 高校生500円 / 小中学生400円
駐車場:50台無料(普通車のみ)
交通:市営バス
JR京都駅より5番
地下鉄北大路駅より北8番
その他31番系統で
地下鉄国際会館駅より5・31番系統で
一乗寺清水町下車、東へ徒歩20分