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そもそも発酵トマトってなに?
皆さんは発酵トマトを聞いたことはありますか?
発酵トマトや、発酵トマトをつかった鍋がテレビなどで紹介されたこともあるので、
名前だけは聞いたことがある・・・という方もいらっしゃるかもしれませんね。
発酵トマトとはトマトと塩、2つの材料を使って発酵させたもの。 乳酸菌が豊富に含まれており、万能調味料としても使える優れものです。
ただ、初めて聞くと、「なんでトマトと塩だけで発酵するの?」「乳酸菌はどこから?」と不思議に思う方も多いはず。
今回の記事では、発酵トマトのレシピ紹介のほか、 発酵トマトのメカニズムについてもお伝えしたいと思います♬
乳酸菌がたっぷりな理由
野菜の表面には基本的に乳酸菌が付着しており、トマトにも同じことがいえます。
発酵トマトは、このトマトにもともと付着している乳酸菌の発酵を促すという仕組みなんです!
そして、発酵を進めるのに欠かせないのが「塩」。 塩には、「腐敗を防ぐ」という役割があります。
塩の役割腐敗菌は塩分を嫌うのに対し、乳酸菌は塩分に強い菌。
そのため、塩をいれることで野菜から水分がでて(浸透圧)、野菜が塩水に浸り、
腐敗菌をよせつけない環境をつくることができます。
また、乳酸菌は「酸素がなくても生きることができる菌」でもあります。
そのため、レシピの過程では、ジッパー付き保存袋や密閉容器を用いて保管し、
空気に触れさせないようにする工程が必ずでてきます。
こうすることで、新たな腐敗菌の侵入を防ぐことができるのです。
塩を加えることで、腐敗菌の繁殖を抑えられた結果、
乳酸菌がどんどん増えていきます。
乳酸菌は生育のなかで乳酸をつくるのですが、腐敗菌はph値が下がった酸性の環境が苦手。そのため、さらに腐敗菌の生殖が抑制され、乳酸菌がたくさんいる状況になるというわけです。(食品を酢漬けすると防腐効果があるといわれているのも、腐敗菌が酸性の環境が苦手だからなんですよ。)
これが、発酵トマトの発酵のメカニズム、そして、乳酸菌がたっぷり摂れる理由です。
発酵トマトをつくってみよう!
■材料
トマト 300g
塩 4.5g
唐辛子 1本
※唐辛子は防腐効果を期待していれるため、なくてもOKです。
保存容器は煮沸するか、アルコールでしっかり消毒した清潔なものを使用してください。
調理の際も、手をしっかりと洗う、手袋をするなど清潔な状態を保つのがポイントです。
■作り方
①トマトを水洗いし、キッチンペーパーなどで水気をよくふきとり、一口サイズ(1㎝角くらい)に切る。
②ジッパー付き保存袋にトマトをいれ、上から塩を全体的にまぶす。
唐辛子を加えたら、しっかりと空気を抜いて密閉する。
③夏場は1日程度、冬場は2,3日常温に置く。
※途中2~3回、かき混ぜてください。
④完成!
※一日発酵させたもの
ぷくぷくと小さな気泡がでていたら発酵の合図。
この気泡は、乳酸菌が乳酸をつくりだすときに同時に発生する、炭酸ガスにあたります。
発酵を終えたら、室温から冷蔵庫に移して保管し1カ月以内に食べきるようにしてください。
フレッシュなトマトが発酵を経て、少しとろりとしたテクスチャーに変化しました。
一口食べると、トマトの旨味とほどよい塩気を感じます。
発酵一日目のものは、酸味があるものの、トマトの酸味かな?と発酵の味わいを感じにくかったのですが、冷蔵庫に3日置いたものを食べると、発酵の酸味をダイレクトに感じることができました!
また一日目のものより、トマトの旨味・塩気・酸味、それぞれの味のバランスにまとまりがでています♩
日が経つにつれ味わいが変化するのも、発酵の魅力の一つ。
是非楽しんでくださいね。
発酵トマトのお手軽アレンジレシピ
ここからは発酵トマトをつかったアレンジレシピを紹介します。
旬のお魚と
夏が旬のお魚、鯵のお刺身に発酵トマトをかけて。
カルパッチョ風の一品が完成しますよ。
お刺身の他、オリーブオイルで焼き上げてソテーやアジフライにしてソースとして添えるのも◎
ほどよい酸味がマッチしの相性抜群ですよ♬
ツナやバジルと和えてパンに
発酵トマト、ツナ、バジルを合わせて、トーストしたパンにのせればカナッペ風の一品に。
上からチーズをトッピングするのもおすすめです。
また、少し手間をかけて、オリーブオイルとにんにくで炒め、粗びき胡椒をかければ、
イタリアの定番料理ブルスケッタにもなります。
その他にも、パプリカやズッキーニ、ナスをニンニクとオリーブオイルで炒め、発酵トマトで蓋をして蒸し煮にするラタトゥイユもおすすめ。コショウで味を整えれば、夏野菜がたっぷり摂れる一品に仕上がります。
そうめんや冷ややっこにかけて、さっぱりと頂くのも、 食欲が低下しがちな夏にもってこいのアレンジ方法です。
スーパーなどでトマトが出回るこの季節。
乳酸菌たっぷり!万能調味料としても使える発酵トマトをつくってみるのはいかがでしょうか?