発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

「西京漬け」をひも解く〈vol.2〉–西京漬けと粕漬けの違いって?焦げない・汚れない・簡単な焼き方もご紹介。

「西京漬け」と「粕漬け」の違い

発酵WEBマガジン「Haccomachi」を運営する京都一の傳の看板商品でもある「西京漬け」は、京都の白みそ「西京味噌」をもとに、酒や醤油などを合わせた味噌床に、魚や肉の切り身などを漬け込んで作る京都の伝統料理です。
一方、粕漬けは日本酒を作る際に生まれる「酒粕」をベースに、味噌や酒、砂糖、みりんなどを加えた粕床に魚や肉を漬け込んで作ります。

主に漬け床の違いで、「西京漬け」「粕漬け」と呼称されていますが、どちらも漬け込むことで漬け床の旨味が魚や肉に移り、素材本来の美味しさと漬け床の旨味が合わさった奥深い味わいが楽しめます。

「西京漬け」は、西京味噌のまったりとした甘さと麹の旨味、そしてほどよい塩味が感じられるやさしくまろやかな味わいです。
対して「粕漬け」は、酒粕の華やかな香りやほのかな風味とアルコールのキレを感じるコク深い仕上がりになります。

どちらも焼き上げると照りが出て、調理の際には漬け床が焼ける香ばしい香りが漂い、食べる前から食欲をそそられるのも特徴のひとつ。
味噌や酒粕など、米麹をもとに作られる発酵食品が使われているので、お米はもちろん、日本酒などのお酒との相性もばつぐんです。

西京漬け、粕漬けをうまく焼くコツは?

そんな西京漬け、粕漬けですが、周りに焦げやすい味噌や酒粕がついていることから、上手に焼くのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。実は焼くときにちょっとした工夫をすることで、焦がさずに焼き上げることができます。

さらに、調理器具を汚さず後片付けが楽になり、そしてなんといってもおいしくお召し上がりいただけますよ。
ポイント付きで解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

西京漬け・粕漬けの上手な焼き方

1️⃣ クッキングペーパーなどで味噌や酒粕をふきとる。
【ポイント】
すでに味がしみ込んでいるので、なるべくふき取りましょう。味噌や酒粕が残っていると焦げやすくなります。

2️⃣ アルミホイルをよく揉んでお皿をつくり、このお皿に切り身をのせて、オーブントースターもしくはグリルで焼いていく。
【ポイント】
アルミホイルの上で焼くことで調理器具が汚れません。また、よく揉んだアルミホイルを使うことで、余分な脂が溝に落ち、おいしく焼けます。
※アルミホイルは1回ごとに変えてください。繰り返し使用すると、溜まった脂に引火する可能性があります。

焼き時間の目安

※西京漬け、粕漬けの大きさやお使いの調理器具によってかわりますのでご調整ください。

【オーブントースターの場合】

上下火で8~10分焼く。(1000Wの場合)

【両面グリルの場合】

6~7分ほど焼く。

【片面グリルの場合】

弱火で5~6分ほど焼き、焦げ目が付いたら裏返し、さらに3~5分ほど焼く。

フライパンで焼く場合

味噌や酒粕をふき取った後、フライパンにクッキングシートを敷いた上に切り身をのせ、弱火でチリチリと音がしてきたらそのまま5~6分加熱。
ほどよく焼き目がついていたら、魚を裏返し、さらに4分焼く。

京都一の傳の西京漬け「蔵みそ漬」の詳しい焼き方はこちらをご覧ください!

まろやかな味わいでお子様も食べやすい西京漬け

京都一の傳のロングセラーの西京漬けは「蔵みそ」という秘伝の味噌床に漬け込みます。

「蔵みそ」床は京都の老舗から取り寄せた西京味噌をはじめ、伏見の名蔵元の本格純米酒、木樽仕込みの2年熟成醤油といった厳選した伝統調味料を独自の割合で調合し作り上げています。

この蔵みそに漬け込まれた蔵みそ漬は、ひとたび口にすれば、まろやかな甘みやとろけるような舌触りで本場京都の本物の西京漬けの美味しさを感じていただけます。

京都一の傳 蔵みそ漬

一年に一度だけ?京都一の傳でも粕漬けが登場!

西京漬けで知られている京都一の傳ですが、実は一年に一度だけ、冬が終わり春が始まるタイミングで粕漬けを販売しているのはご存じでしょうか。

毎年、新酒の時期に作られる京都伏見の蔵元の酒粕を仕入れ、この時期にだけ作っている限定商品なんです。
日本酒の香りが残るよう絞り加減を調整した酒粕を使用しているので、焼き上げる際や口に運んだ際に、豊潤な香りが広がります。

さらに年間250トンもの西京味噌を扱う京都一の傳ならではなのが、西京味噌をたっぷりと使っていること。
一般的な粕漬けより西京味噌の配合を多くすることでツンとこないまろやかな味わいに仕上げており、食べやすいんですよ。
毎年この時期に登場する隠れた人気商品。ぜひこちらもお試しください。

京都一の傳 蔵かす漬