発酵を手軽に楽しむためのWEBマガジン

甘酒で元気な朝活を!元気に1日をスタートするための甘酒アレンジレシピ

はじめまして。
今回、記事を担当させていただく塩田です。
塩麹をきっかけに発酵食品にはまり、甘酒やしょうゆ糀などいろんな発酵調味料を手作りして、日々の食事に取り入れるようになりました。

毎日摂り続けると、便秘気味だったお通じがスムーズになったり、風邪をひきにくくなったり、体が変わってくることを実感中!(あくまで個人的な感覚です)
「継続は力なり」とはまさにこのことですね。

でもまだまだ、「体に良いらしいけど、どうやって取り入れたらいいの?」と思っている方もいるはず。

私も最初はそうでした。
発酵食品に関連する本やサイトを見たり、講座に出たりして、見よう見まねでとにかくやってみるうちに何となくコツがつかめてきました。

元々、ずぼらな性格なので、取り入れ始めてから今まで続いていることはシンプルで簡単なことばかり。

そうした「簡単に続けられる発酵食品の取り入れ方」を、私と同じくずぼらな方にこそご紹介!
今回は、夏に向けて「甘酒」に注目したいと思います。

「甘酒が朝ごはんにいい」ってホント?

甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があり、それぞれに特長があることは、甘酒からみる発酵食文化(2)ですでにご紹介しましたよね。

私がいろいろと試してみた結果、おすすめしたいのが「米麹甘酒」です。アルコール分がなく、誰でも飲めるので毎日の食生活に取り入れやすいのが良いところ。

そういえば、甘酒について調べたり勉強したりしているとよく聞くのが、「朝に飲むと良い」ということ。一体なぜなんでしょうか。

米麹甘酒の原料は米と米麹のみ。
米麹の酵素の働きによって、米のでんぷんやたんぱく質が分解され、甘みや旨みが生み出されます。

この甘みの主成分はでんぷんから分解された「ブドウ糖」によるもの。ブドウ糖は脳や体の栄養源であり、かつ体内に吸収されることで活動のエネルギー源となります。
寝ぼけた頭と体を起こすのにぴったりのエネルギー補給源なんですね。

また、米に含まれるビタミンB群がエネルギー代謝をサポートするため、ブドウ糖を効率よくエネルギーにすることができます。

液体の甘酒はご飯よりも体内に吸収されやすいので、“1日始まりのエネルギー補給源”としては最適の食品。まさに、寝起きのぼんやりした頭と体にエネルギー注入!というわけです。

さらに、朝の甘酒には「置き換えダイエット」の効果も期待できます。

「時間がなくていつも朝ごはんは食べない、その分昼や夜に食べ過ぎてしまう」
「朝食をしっかり食べ過ぎて、食後は眠くなってしまう」
「便秘気味で慢性的にお腹が張ってすっきりしない」

こんな方にこそ、甘酒はおすすめです。

「飲む点滴」といわれる甘酒にはブドウ糖のほか、「ビタミンB群」や「食物繊維」などの栄養成分が多く含まれています。
朝ごはんを食べる時間がなければ、甘酒を飲むだけで満腹感があり、昼の食べ過ぎを防いでくれます。

逆に、朝から食べ過ぎてしまう方は、甘酒だけのシンプルな朝食にすれば、効率的に栄養補給ができます。

また、甘酒に含まれる「食物繊維」や「オリゴ糖」には腸内環境を改善する働きがあるので、便秘解消の効果が期待できます。
腸内環境が改善されることでデトックスが進み、美肌やダイエットにも効果があるといわれています。

ただひとつ、注意しておいてほしいことが、甘酒のカロリーの高さです。
おちょこ1杯で約25kcal程度と、決して低カロリーとは言えません。ダイエットを意識するなら、一度に大量に摂取したり、高カロリーのものと一緒に食べるのはNG。

甘酒の摂取量は、1日あたり200ml程度が適切な量だと言われていますので、適切な量を毎日継続して摂ることを心がけてくださいね。

甘酒ドリンクいろいろ

一般的な取り入れ方は何も入れずにストレートで飲むことですが、甘さが気になる方はお好みで水や炭酸水と割ってみてください。

米粒が残る甘酒の場合はミキサーなどで滑らかにすると、より飲みやすくなります。
ストレートでの飲み方に少し飽きてきたら、いろんなアレンジも楽しんでみましょう♪

●豆乳アレンジで
相性がいいのは、牛乳より豆乳。
甘酒にコクが出て、とても飲みやすくなる組み合わせです。豆乳もアジア発祥の食べ物なので、なじみが良いのかもしれませんね。

●フルーツや野菜と
朝食にはドリンクとして飲むのがもっとも手軽ですが、甘酒のような発酵食品は、そのほかの発酵食品や食物繊維豊富な食品と食べることで、さらなる腸内環境の改善が期待できます。

●あったか甘酒で冷え取り
冬場は、ほうじ茶や紅茶、コーヒーと割って、あったか甘酒を。
シンプルですが、意外に合います。いろいろ試して好みの配合を見つけましょう。
紅茶+シナモンスティックでチャイ風にしたり、豆乳+しょうが汁でジンジャードリンクにすれば、冷え性改善ドリンクとしても役に立ちます。

プラスアルファの栄養食品とともに「甘酒スイーツ」

朝食にはドリンクとして飲むのがもっとも手軽ですが、甘酒のような発酵食品は、そのほかの発酵食品や食物繊維豊富な食品と一緒に食べることで、さらなる腸内環境の改善が期待できます。

●ダブル発酵食効果
たとえば「ヨーグルト」。
ヨーグルトの乳酸菌は善玉菌のビフィズス菌を増やしてくれます。腸に良いオリゴ糖や食物繊維を含む甘酒と食べると、相乗効果でお通じがよくなるといわれています。
ヨーグルトに甘酒をソース代わりにかけたり、シャーベット状にした甘酒にヨーグルトをかけてみたりと、組み合わせて摂ってみましょう。

●フルーツにかけて
「ビタミンC」が豊富なフルーツも、甘酒のお供にぴったり。
甘酒に含まれるビタミンB群には、体の成長をうながし健康な肌や髪を作る働きがあるので、それを助けるビタミンCを含む食品を摂ると、美肌効果がさらに高まるといわれてます。
ビタミンCを多く含むキウイやイチゴ、みかんなどのフルーツに甘酒をかけて食べるのもおすすめ。甘酒をかけた後、冷蔵庫で30分ほど置くと、フルーツが持つ本来の味わいが増してさらに美味しくなります。

●高カロリー食品との組み合わせは要注意!
例えばグラノーラは栄養成分は豊富なものの、砂糖が多く使用されており、カロリーも糖分も高めの食品です。
甘酒をかけると、かなり甘くなり糖分が増すので、あまりおすすめとは言えません。甘酒が低カロリー食品ではないというのは意識しておいてくださいね。

以上、甘酒を朝食代わりに食べる方法をいろいろとご紹介しましたが、そのほかの飲むタイミングとしては、疲労時などもおすすめ。

なぜなら、甘酒に含まれるビタミンB群には疲労回復効果もあるからです。

「疲れたなぁ」と思ったら、おちょこで1杯程度飲んでみると、ほっこりとした満腹感と同時に元気がよみがえってきますよ。

また、ダイエットにもっと積極的に活用したいなら、甘酒を普段のおやつ代わりにしたり、食事の前に少し飲んだりすることで、空腹感がおさえられ食べ過ぎを防いでくれます。

気がつくと何種類ものおやつを食べていた!ということってありますよね。
ジャンクなお菓子では体が本当に欲しがっている栄養を摂れないため、ダラダラと食べてしまうのかもしれません。
必須アミノ酸やビタミンB群などの栄養豊富な甘酒ならその心配はないし、罪悪感も伴わないですよね。

こんなふうにさまざまな用途に応じて使えるのも、甘酒の大きな魅力。まず朝ごはんとして飲んで、「自分の体に合ってる」と感じたら、いろんなシーンで活用してみましょう。



●参考文献

最新版「知っておきたい栄養学」白鳥早奈英 監修(Gakken)