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おかずやおつまみにアレンジも!“乳酸発酵”の京漬物「しば漬け(柴漬け)」

しば漬けの“しば”って一体なに?

お弁当でもよく見かける定番の漬物「しば漬け」。
赤紫蘇の鮮やかな紫色と酸味が特徴の漬物で、すぐき漬け、千枚漬けと合わせて京都三大漬物と呼ばれています。

歴史は古く、平安時代末期には食べられていました。

名付け親は、平清盛の娘である建礼門院徳子との伝承が残っています。
建礼門院は、平家滅亡の際に、母親と自身の子どもである安徳天皇とともに壇ノ浦の海で入水を図り、敵方の源氏の武士に助けられました。

その後余生を京都の大原で一人寂しく過ごしていた建礼門院に、少しでもかつての日々を思い出してもらいたいと、地元の人たちが名産である紫蘇を使った漬物を献上しました。建礼門院はその味わいと美しい紫の色にたいそう喜び、「紫葉漬け(むらさきはづけ)」と名付けたそうです。
その後、「紫葉漬け(しばづけ)」という呼び方が定着しました。

大原の赤紫蘇畑

健康のために摂りたい栄養素「乳酸菌」が豊富って本当?

漬物には、発酵させて作るものと、発酵していないものがあります。

昔ながらのしば漬けは、赤紫蘇と茄子を塩だけで漬け込み、乳酸菌の力をかりて作る「乳酸発酵」の漬物です。

ただし、今は塩に漬けたきゅうりやなすなどをしば漬け風の調味酢で加工して作るしば漬けが広く流通しています。
昔ながらのしば漬けが、茄子メインでしっとりした食感、コク深さ、酸味が特徴なのに対し、しば漬け風調味酢漬けのしば漬けと呼ばれるこちらは、きゅうりがメインに使われ、フレッシュな食感と爽やかな塩味が特徴です。発酵食品である「酢」は使っていますが、乳酸発酵の漬物ではないので乳酸菌は含まれません。

それぞれに良さや特徴がありますが、「乳酸菌を摂りたい!」という方は、原材料に塩以外の調味料(酢など)が入ってないものを選んでください。

また、酢を使わない古くからの製法のものは「生しば漬け」などの名称で売られていることが多いので、こちらもひとつの判断基準になりますよ。

乳酸発酵の仕組み
乳酸発酵とは、食品内の成分が、乳酸菌の働きによって変化し、風味や保存性が増す作用のこと。
しば漬けの場合は、なすや赤紫蘇に付着している乳酸菌によって発酵が進みます。発酵の過程で赤紫蘇の色素も変化するので、鮮やかな紫色になります。しば漬けだけでなく、ぬか漬けやザワークラウトなども、乳酸菌の働きを利用した漬物です。

腸に届きやすい「プロテクト乳酸菌」

しば漬けに含まれる乳酸菌は「プロテクト乳酸菌(S-PT84株)」という種類のもの。
他の乳酸菌に比べ厚い細胞壁をもっていることで、免疫活性成分の量が多く腸に届きやすいため、免疫力を高める力が強いのだとか。

気温も上がってきて、夏バテしやすい季節になりました。
クセになる酸味で暑い日にも口にしやすいしば漬けをお茶うけやご飯のお供にして、おなかの調子を整え乗り切りたいですね。

夏のお漬物「しば漬け」おすすめ3選

しば漬けは、初夏に旬を迎える「赤紫蘇」を使って漬け込む夏の漬物。
京都の老舗のしば漬け屋さんでは、なんと7月から8月の間に1年分のしば漬けを漬け込むそうですよ。

先ほどお伝えしたように、一般に出回っているしば漬けは調味酢で漬け込まれたものも多いのですが、中には昔ながらの乳酸発酵で作られたしば漬けも売られています!
ちょうど7月から8月に新漬けのしば漬けが出回るのでぜひ探してみてください。新漬けのしば漬けはフレッシュで爽やかな香りと酸味が特徴。
漬け込みが進んだしば漬けは熟成された深い酸味がクセになる味わいなので、どちらも違った良さがありますよ。

志ば久「赤志ば」

大きめにスライスされた茄子は色鮮やかな紫色で見た目にも食欲をそそります!爽やかでフルーティーな酸味と赤紫蘇の香りがたまらない、お茶と一緒にいただきたい一品です。
毎年7月中旬~9月末には“新漬け”の樽出し「赤志ば」が店頭に並びます。熟成された「赤志ば」とまた違ったフレッシュな味わいなのだそう!しば漬けが有名な志ば久さんですが、ほかにも赤紫蘇を使った商品や、水なす、きゅうり、長いもなど新鮮な野菜のお漬物が楽しめます。

※現在テレビ放送の反響で、一部販売停止されているようです。再開される際は志ば久さんのWEBページやSNSでお知らせがあるようなので要チェックです!

川勝總本家「賀茂茄子のしば漬」

ちょうどいい大きさにカットされた京野菜の加茂茄子のしば漬け。塩味と酸味がしっかりとしていて、ご飯にぴったりの味わいです!
川勝總本家さんでは他にも、スタンダードな「しば漬」、「刻みしば漬」や、青紫蘇の葉と一緒に漬け込まれた「しば祗園青しそ」、瓜と壬生菜を使ったしば漬け風味の「瓜と壬生菜の茜漬」などもラインナップされていました。いろんなタイプで楽しめるのもいいですよね。

桝俉「生しば漬」

錦市場に店を構える桝俉さんでも「生しば漬」を発見しました♩乳酸発酵のしば漬けですが、クセがなく、程よい酸味と塩味でとっても食べやすいです。
使い勝手のよいサイズにカットされているのでアレンジもしやすいですよ!
生しば漬だけでなく、しば漬け作りの伝統を活かしアレンジされた「おらが漬」や煎酒が用いられた「錦 若冲漬(赤しそ)」など、しば漬けや紫蘇漬けの種類が豊富なのもうれしいポイントです。

今回挙げた3つのお店以外にも京都にはたくさんの漬物屋さんがあるので、ぜひ自分好みのしば漬けを探してみてください♩

実はパンにも合う!?しば漬けの簡単おすすめアレンジ

しば漬けといえば、ほかほかのご飯のお供というイメージが強いですよね。

そのままでも美味しいしば漬けですが、ポテトサラダやタルタルソースに加えて塩味と酸味のアクセントにしたり、料理に幅広く使える漬物なんですよ。
そんなしば漬けの色んなアレンジ方法を集めました。ぜひ試してみてください。

ツナしば漬けサンド

しば漬けは、実はパンとの相性も抜群!いつもと一味違ったサンドイッチにするのはいかがでしょうか。
みじん切りにしたしば漬けと油を切ったツナを混ぜ合わせ、食パンに挟んでカットしたら完成です。 一緒に玉ねぎのみじん切りを入れたり、細く切った大葉を加えるのもおすすめですよ。
サンドにするのが手間であれば、マヨネーズと和えてからチーズをのせてトーストするだけでも美味しいのでぜひ試してみてください。

しば漬けおにぎり

ご飯に刻んだしば漬けと大葉、かつお節、そしてほんの少しのめんつゆとごま油を加えて混ぜ合わせ、おにぎりに。
ごまやチーズ、天かすを合わせるのもおすすめです!

しば漬けパスタ

パスタを茹でている間にフライパンでオリーブオイルとみじん切りのにんにくを熱し香りを出します。 パスタが茹で上がる直前にしば漬けを加え、最後にパスタと大さじ1くらいのゆで汁を加え乳化させたら完成。
にんにくのオイルパスタにしば漬けを少し加えるだけで、しば漬けの食感と香りが加わったさっぱりパスタに仕上がります。
最後に大葉やみょうがなどの薬味をたっぷりのせると夏らしい一品になりますよ。

しば漬けクリームチーズ

しば漬けを使ったクイックおつまみレシピです。
しば漬けとクリームチーズを和えるだけ。しば漬けとクリームチーズがあれば1分もかからず作れます。
スパイシーな風味がお好みでしたら、黒こしょうを加えるのも◎

しば漬けタルタル

玉ねぎみじん切り(1/4個分)、しば漬け(20gほど)、ゆで卵(1個分)、マヨネーズ(大さじ3)を混ぜ合わせお好みで黒こしょうをかけたら出来上がり。しば漬けを入れるので、マヨネーズは少なめでも。揚げ物にはもちろん、ブロッコリーやじゃがいもにのせたり、トーストにも合いますよ♩

以前紹介したマヨネーズ不使用のポテトサラダに加えるのもおすすめです。
その場合は、塩麹や酢の量を調整してくださいね。

ほかにも、刻んで納豆と混ぜ合わせて冷やしうどんやそうめんにかけたり、チャーハンの具材にしたりなど、いろいろなアレンジでしば漬けを楽しんでください!

乳酸菌が摂れる!世界のお漬物シリーズ

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参考サイト:
農林水産省 うちの郷土料理 しば漬け 京都府
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shibazuke_kyoto.html
サントリー健康情報レポート 免疫力と乳酸菌の関係 壁の厚さが免疫力の強さ。発見「プロテクト乳酸菌」!:3.免疫力の鍵を握る、プロテクト乳酸菌!
https://health.suntory.co.jp/protect/meneki03/index.html